2017年10月31日火曜日

今月の一本 中毒パズルレベルス+

今月はこれです。ホントは今日の午前0時に上げるつもりだったんです。そのつもりで計画はしていたんです。素案は出来ていたんです。ただ実行に移す際に「ちょっとレベルスやっとこう」とプレイして時間を溶かし、んーやることないしちょっと起動しよう思い時間を溶かし、やっべレポートが終わらん現実逃避にちょっとやっておこうと起動して時間を溶かし……なんてことを繰り返してたらこんな有様に……。悪気はないんです。
とりあえず教訓として、締め切り間近のものがある場合このゲームを起動すると取り返しのつかないことになりかねんと書いておきましょうか……。ゲームの方はきっちり面白いのでプレイしましょう。
��____

DATA
発売 / 開発 :flow
登場時期 : 2017
ジャンル : パズル
機種 : Switch


��「中毒」って怖いよね~
デジタル大辞泉の解説
ちゅう‐どく【中毒】
��名](スル)
�� 生体内に入った薬物・毒物や生体内の代謝産物によって病態や機能障害が生じること。経過から慢性と急性とに分けられる。どくあたり。「食い合わせで中毒する」「ガス中毒」
�� 置かれた状況になれて特に変わったことだとは感じなくなること。また、あるものへの依存が強く、ちょっとでも不足すると非常に強い飢餓感をもつこと。「活字中毒」「仕事中毒」
出典 小学館/デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
コトバンクより引用


…しばしば「このゲームは中毒性がある」という褒め言葉なりを見かけたり、あるいは自分も使ったりするけれども元の意味を考えると結構怖い言葉である。止めたいのに止められない、それがなければどうにもならないのが依存だとすると、さながら中毒はその一歩手前というところか。そして事が進行すれば機能障害を起こしてしまう。ヒイィィィ……。まあ、何にしても適切が一番というわけだ。適度な中毒性はゲームの楽しさをさらに高めてくれる。
しかしここに恐るべきゲームがスイッチに現れた。名前からして中毒と謳っている「中毒パズルレベルス+」である。元々はスマホのアプリゲームだったが、バランスの再調整などが行われパワーアップしスイッチに移植されたものである。
正直始める前は、「中毒と言ってもたかが知れたものだろう」と思っていた。いたんだよ。いたんです。はい。しかし実際プレイしてみるとあれよあれよと時間を消費し遂にはプレイしてないときですら「あれとあれを合わせてレベルアップさせんといかんなー」だとぶつぶつ呟いたり青と黄色のものを見かけたら足し合わせなきゃと思うようにまで脳を破壊された状態に陥っていた。重症だ。中毒パズルレベルス+、その名に恥じない極めて中毒性が高い一本である。

��足してレベルアップするのがレベルスだ!~
基本ルールは5×5のフィールドに敷き詰められたパネルをカチャカチャ動かしてハイスコアなりを狙うというもの。パネルは3色あり青が味方、黄色がお宝(スコアアイテム)、赤が敵を表している。
各パネルにはレベルが存在しそのレベルを表す数値が書かれている。青と黄色のパネルは動かすことができるが赤パネルは移動不可能。青、黄色パネルは同じ色同士かつ同じ数字同士を重ねることでレベルアップする。例えば1が書かれた黄色パネル同士を重ねれば2の黄色パネルが、2と2の青パネルを重ねれば3の青パネルが、3と3で4に…といった具合だ。青パネルは自分の数値以下の黄色パネルを消してスコアを得ること、邪魔な赤パネルを消すことができる。これでレベルアップを繰り返しつつ邪魔な赤パネルを破壊し黄色パネルを獲得してスコアを伸ばし、一枚も動かせなくなるまで試行錯誤してハイスコアを狙うといったゲームである。
こうして文字にすると意外と分かりにくいかもしれないが、初プレイの時に表示されるチュートリアルを見れば一発で分かるシンプルなルールだ。
今作はその場の判断が重要になるパズル(パネポンとか)では無く思考型パズルに分類される。時間は無制限なので自分の気が済むまで熟考し、次に登場するパネルを確認しつつ、どれをレベルアップさせるか…?どの赤パネルを破壊するか…?と考えるのがゲームの流れになるのだが、これが極めて面白い。
レベルを上げると有利に働く一方でそれ相応のリスクを背負うのがミソであり、青パネルのレベルが5や6辺りになってくると低レベルの青パネルが邪魔になりキリキリ舞いするバランスになっている。しかし、レベルを上げなければ今度はどんどん強くなっていく赤パネルを壊すことができない。レベルを上げたい……でも低レベルの味方が邪魔に……でも上げないと……という脳内葛藤が悩ましくも楽しい。そして悩めば悩むほど時間が溶けていく。時間泥棒っぷりは半端なものではない。
更にハイスコアを目指すとこのバランスはまた違った一面を見せる。黄色パネルのレベルを上げていくと当然ながらそれを上回るレベルの青パネルが必要になる。低レベルの青パネルは更に邪魔になるし、黄色パネルのレベルばかり上げていくと今度は高レベルの黄色パネル自体が最強の敵となる。しかし、この圧力に屈したら低スコアしか獲得できないチキン野郎になってしまう。今作のその巧みなバランスは水面器に顔をつけて我慢勝負をしているようだ。その圧力に屈して顔を上げるか、そのまま勝負を続け不慮の事故で水没死を遂げてしまうか……。思考力だけでなく精神の強さまでも要求されるのだ。
しかし、だからこそ面白い。ゲーム性の一つである「リスク・リターン性」が極めて高く、自らを死の淵に近づけつつハイスコアを狙う駆け引きのアツさはパズルゲームはおろか数あるゲームの中でもピカイチだ。レベルを上げれば上げるほどに自らが追い込まれ敵だけでなく味方すら頼れなくなっていくが、どんどんとスコア倍率が上がっていく黄色パネルがちらつき「あと1レベル…あと一手…」とさらに死地に赴かせる。まさに悪魔のようなゲームだ。そしてその中毒性は悪魔そのものだ。
また、ハイスコアをバリバリ狙うだけでは無く青パネルのレベルを上げてたまった赤パネルを次々と粉砕していく爽快感が気軽に味わえるというのもポイントの一つ。シビアな駆け引きもあり、単純明快な気持ちよさの面もある。シンプルながら意外と多様な面白さを持ったパズルゲームなのだ。ハイスコアを目指すもよし、だらだら遊ぶもよし、意外と多様な遊び方に対応している作品である。
またバランス面だけでなくロードが皆無でタイトル画面すら存在せず、起動したらすぐさまパズルが始まるのも凄いところ。特にゲームが始まるまでの短さは全てのゲームの中でも12を争うほどではないだろうか。これが幸いしてより中毒性を増している。思いついたらパッと始められてカカッとアツい。そしてみるみるうちに溶けていく時間。ゲームが始まるまでのかったるさが存在せず、腰を据えてやったりあるいは時間つぶしにやったり、いつでもどこでもプレイできるスイッチに適した仕様だ。
細かいところではレベルを上げていくとそのたび少しずつ変わっていく音楽の良さ(これも中毒性高し)、レベルを上げたときの無駄に派手な効果音も魅力の一つ。序盤は普通の効果音なのだがレベルが6や7辺りになってくるとレベルを上げるたびに無駄に壮大な音が鳴り響くようになる。またこの際HD振動でレベルアップの感触が手元に伝わるのが面白いところ。後半はレベルを上げるだけでも一苦労なのでそれに見合っただけの結果がこうも分かりやすく出力されると更にレベルを上げたくなってしまう。それが命取りになると分かりつつも……
一方で凄く面白くて楽しいけれどどうにも地味という印象は否めない。特殊アイテムの類は一度のみ赤パネルを全て黄色パネルに変化させるサンダーのみであり、それ以外の状況を激変させたりするアクセントとなるアイテムは存在せず頼れるのは己の頭脳のみというストイックな内容。ゲーム自体の駆け引きは極めて熱く奥が深いものなのだがマジになってスコアを追い続けるとかなり疲れてしまうことも。絵が非常にシンプルなこともあり派手さに欠ける印象を持つ。誤解を恐れずに言えば、中毒パズルレベルス+は少し飽きやすいゲームになっているとも思える。
じゃあ飽きやすいからダメなのかというと、そんなことはまるでない。むしろその逆で今作は飽きられることを恐れていない。良く出来たパズル、アクション、シューティングなどはふとした時に引っ張り出されカカッと瞬間で熱くなれるものが多く結果的に何度も遊ばれる傑作になったりすることも多い。レベルス+は極限までゲームを始めるまでの障壁を取り除き、それでいてその時は忘れていても動かせばすぐに思い出すシンプルなルール、そして短い時間で熱くなり頭を悩ませる時間泥棒っぷりで、すぐにまたハマり中毒状態に陥ることの出来る作品だと言えよう。
スイッチに一本忍ばせておけば、ゲームライフに彩を添えてくれること間違いなし。しかしその中毒性の高さは睡眠時間が削られたりするだけでなく風呂上がりにまったりとやっていたら湯冷めしたりほかのゲームの進行に甚大な被害が出るほど。そんなわけでほんのりとお勧めしたい傑作パズルゲームだ。くれぐれもやりすぎにはご注意を……




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