2017年12月24日日曜日

中途半端に感想殴り書き RXN-雷神-

メモを残すのは頭の中から一刻も早く忘れるため、なんて言葉がありましたか。その言葉に基づき、全然頭の中で文章構成していないけれど、先に登場しひどいショックを与えたあの作品の感想でも殴り書き気味に書いておきましょう。途中で酷いものを酷いと書くのにも疲れてきたので微妙な文章になってることをここでお詫び申し上げておきます。
わしゃあこのご時世こんなひどいSTGを遊びとうなかった…ッ!!
��____

DATA
発売 / 開発 :面白法人カヤック / ガルチ
登場時期 : 2017
ジャンル : 横長縦スクロールSTG
機種 : Switch
プレイ状況:1号機で全ルートクリア、2号機でそこそこ進めたくらい


「2017年現在のSTGを徹底的に考えました」の言葉とともに、企画開発をSTGにおいてある程度の実績があるガルチが担当、音楽にはあの古代祐三氏や来兎氏が参加、メカニックデザインを藤岡建機氏、キャラクターデザインをすめらぎ琥珀氏が担当、更には豪華声優陣(ゴメンナサイ声優あんま詳しくないので詳細は各々調べてください)と非常に気合の入った作品に一見見えます。見た目の部分だけを見るならば、名だたるSTGの数々を集めても今作には勝てない、そういった豪華さがあるんじゃないかと思いますね。
では肝心のゲーム内容はどうかと言うと、かなり汚い言葉になりますが演出がゴミ、演出がゴミであることに付随してシナリオが見るに堪えない、システムが説明不足で理解不能で噛み合わず、あっけない&退屈極まりないステージ構造(レベルデザイン)、多発する処理落ち、爽快感皆無、敵の異様な硬さ(ボスで顕著)、ありそうで実は全然ないボリュームと言う具合でここまでひどいSTGもそうそうないんじゃないかと思える感じであります。もう褒めるべきところがほとんど思い浮かばず、何もかもが低レベル。見栄えの部分の豪華さは確かに豪華ではあるんですが、調理の仕方(具体的に言えば演出とか魅せ方)が壊滅的なせいで結果的に褒める要素がほぼ無に近いです。おまけに価格まで、SwitchのDLゲームとしては破格の4000円越え。まあ有体に言えば売り逃げ作品といった感じなんですかね。アプデで改善しようにも演出が死んでることと、一から全部作り直した方がよっぽど早い部分ばかりなので、救いようがないです。

とりあえず一つ一つ問題点を見ていきますか。

・チュートリアル、説明がない
ニンテンドースイッチはかなり攻めたハード構成で、ソフト買ってゲームする場合説明書に該当するものが無いんです。で、それはまあいいんです。大半、いやほぼ全てのメーカー及びゲーム制作者がしっかりと説明書がなくてもすんなりと分かるように作ってくれてるし、ソフトを起動したらガイドを見ることが出来るゲームも結構あるんです(マリオオデッセイもアクションガイドを逐一見れる設計でしたな)。
今作はチュートリアルに相当する物が一切なく、説明が何一つないまま戦場へと放り出されるんです。オプション見れば最低限の操作は分かるのは確かではあるし、ボムに相当する覚醒システムも数回使えば理解出来るものではあるのは確かだけど、非常に混乱を招く作りで不親切極まりないものだと。
更に付随して、下記に詳細を述べる機体のレベルアップシステムがあるんですが、これに関する説明が何一つ存在していないんですね。ジェムを集めれば機体が強くなるよ!というのは最低限プレイヤーにも分かるのですが、それまでです。NORMAL,ETHER,PHYSICAL,FIRE,LIGHT,DARKという項目があることは分かってもそれらが何を意味しているのか分からず、それに対する解説も無いです。
おそらくは意味なんてない、というのが答えなのかもしれませんが。

・機体のレベルアップ
成長に必要なアイテム(NORMAL,ETHER,PHYSICAL,FIRE,LIGHT,DARK)がばらけてますが、NORMALが異様に足りないバランスなので仕様が崩壊しています。レベルアップに必要なアイテムをばらけさす必要性が見いだせず、ただの時間稼ぎにしか思えません。更に、ジェムはジェムで敵弾の視認性の悪さに直結しています。見難いことこの上ない。

・ステージ構造
アーケードSTGの文脈から脱却したいという思いはよーく分かるんです。チャプターとして小さなステージを複数用意してボリュームを出すという設計も設計だけなら分かるんです。
しかしこれはいくら何でも短すぎる。敵編隊少し倒して終わり、みたいなステージばかりで盛り上がりもクソも無く、更にここにストーリー演出のキャラの会話シーンも加わり、会話シーンではただ話を聞くだけ(敵も出て来ない)みたいな有様なのでテンポすら悪い始末。ステージを構成していないとしか言いようがないんです。
ダライアスバーストCSのCSモードも小さいステージを組み合わせたものが多かったりしましたが、あちらはあちらでバーストゲージや倍率などリソース管理の面白さ、プレイを邪魔せず盛り上げるボイス演出、ギミックやら敵の動きやらでプレイヤーを飽きさせない工夫がこれでもかと言うほどに仕組まれていたのです。
が、このゲームはそういった配慮すら存在せず一切が無。結局ただ敵を倒すだけになっており、おまけにその敵は異様に硬い、倒すのに手間がかかるから敵がいっぱい出る、弾もいっぱい出る、ようやっと倒した敵からジェムが出て弾が見にくくなる、画面中で色々起こっているから処理落ちする、処理落ちしてるから爽快感も無いと風が吹けば桶屋が儲かる的に問題点が連鎖反応を起こしているのです。もうね、アホかと…バカかと……
これでも雑魚戦はまだマシな方で、ボス戦は本当にひどい。単調なWAY弾主体の攻撃と全く足りてないこちらの火力。接近して撃ちこもうにもダメージはまるで通らず、だらだら面白みのない敵弾を回避してぼーっと相手が死ぬのを待つだけ。ストーリー演出的にも盛り上がりは存在しておらず、逆にどうしたらこんな面白くないボス戦が作れるんだ?と思うばかりです。ボス戦に関しては眠くなるようなゲーム、というのが自分の感想であり、STGの華とも言えるボスとの戦いでそういった感想を抱かせている時点でもうダメにもほどがあるとしか言いようがない。
あと、更にいうならWAY弾において奇数偶数の法則で回避できるのはある程度STGをやった人であり、イラストや声優陣に釣られてきた人にとっては、どうなんでしょうねえ。逃げ道のない弾壁に思えてしまうんじゃないでしょうか(特に後半)。それを考えたからこそ10回も15回も同じような攻撃を繰り返すみたいなことにした可能性も無きにしもあらずですが、ある程度やった人にとっては退屈極まりない、初心者にとってはきついといった、最悪なバランスに陥ってるとも取れなくもないです。

・演出
酷い。酷すぎる。こんな酷いの見たことが無い。物語の演出はカス以下と言う言葉でしか表現できず、タイトーSTGのようにハッとさせる演出も無く、バトルガレッガや雷電Ⅱやライデンファイターズなどのセイブ開発系ゲームにあった爆散演出の華麗さも無く、斑鳩シルバーガンのようにカッコイイ構図も存在せず、マイルストーンSTGのように独自の味があるわけでも無く。別に例に述べたゲームはその手の演出では突出した完成度を持つ作品なのだからこれ以上のものを出せとは言いません。しかしいくら何でもこれは最低、見る価値無しとしか言いようがないんじゃないか?
特に物語の演出がひどい。前々から述べているけど会話シーンの挟み方が壊滅的。会話している間敵が出なくてテンポ最悪ってのもそうですし、ボス撃破後だらだら会話見てるだけとかもう、もう。ステージクリアの際に「これでもう終わり…?」みたいな台詞をいちいち挟むのも神経を逆なでする。それはこっちのセリフだボケが。
更に台詞とゲーム内の演出とでズレが生じている箇所もあり、戦闘準備に入れ!と言われてそのままステージ終了する、以前のボスとは動きが違う!と言っておきながら攻撃パターンは使い回しで一切変化なしなどはもう擁護のしようがないレベルでダメ。特に後者、こんなのテストプレイすれば一発で気づくレベルのものだろう。台詞とステージ構造、演出まで含めてきっちりシンクロさせて盛り上がりを見せつけたギンガフォースとは雲泥の差、というか開発者はギンガフォースのようなゲームを目指したかったんだろうが(同じくチャプター制、キャラの会話多数でストーリーで引っ張っていく)、もしそうならホントにギンガフォースを遊んだのか?少なくともあれを一度でもプレイすれば今作がダメにもほどがあることくらい分かるはずだが。特に2017年現在のSTGを徹底的に考えたとか宣うなら。ギンガフォースは(個人的には)エスカトスには及ばなかったものの間違いなく新たなSTGの形を示したものだと思うし。演出が見るに堪えないレベルなのでシナリオも頭に入ってこないと2次災害的なことを起こしてます。
物語演出はもう救いようがない、どうしようもないしどうにもならない。じゃあ背景の演出はどうかと言うと、こちらもダメだ。背景の質自体は良い。しかしこうも使いまわされては「じゃあなんでステージをぶつ切りにしたの……?」と思わざるを得ない。ステージを分ける必要性が全く出て来ない。また演出がヘボイのが影響していったい自分はなぜここに居て誰と何のために戦っているのかが分かりにくいという問題すら生じています。
後重箱の隅になりますけど、ラストバトルで主題歌が流れるってのはまあ良いです。しかし、そのボーカルが大きいせいでストーリーのボイスが聞き取りにくいっていうのは、もう何がしたかったのかよく分かりません。

・評価点?
ウェポンのレベルの概念とそこから生まれる戦略性の面は、ある程度の面白みがあるといっても良いと思います。3つあるウェポンをどう使い分け、どこで高レベルを維持して一気に敵を破壊していくか、硬い敵に対して覚醒(いわゆるボム)を充てていくか、の戦略面での面白さだけは、それなりにあるんじゃないかと。
根本のSTGの面白さである敵を破壊していく快感が極めて薄いので、これですら相当絞り出してのことではあるんですけどね……
来兎さん担当の音楽は中々によろしいです。ドラムンベースが効いた音楽がカラスみたいで良かったですね。ゲーム本編の出来具合はカラスの足元にすら及んでない、憂さ晴らしやポエム(このゲームはあんまポエムが無いんだが…)に浸る価値すら見出せない代物だと。テーマソングも、抽象ポエム感満載の歌詞である意味面白いというのも特徴かもしれませんな。
ステージクリア時のリザルト画面にて、藤岡建機氏がデザインした自機の造形をグリングリンと回して眺めることが出来、メカ好きにはたまらないものになっていると言えるかもしれません。こんなところにこだわるくらいならSTGの部分に力を入れろやこのタコがとしか、自分は思わないのでどうでもいいですけど。
後あえて言うなら、辛うじて遊べなくはない出来だということくらいですかね。遊べなくはないけれど遊ぶ価値は無いかと。


もう少し全機体でプレイなりして細部の印象を固めたかったというのはあるし、これだけの面子をそろえて置いてこの出来はありえない、何かの間違いではないのか?と思うばかりなのですが、これ以上何の感情も抱かせない、不満ばかりが積りたまりしこりの残る作品をプレイしてもこちらの精神がおかしくなってしまうので、感想としても大変に中途半端な具合ですがここで離脱させていただこうかと。面白くないものを面白くないなーと思いながらプレイするのは正直辛いですし。
「2017年現在のSTGを徹底的に考えました」という言葉を掲げて、その2017年新たなSTGの形を確立しようとしたものが、「コレ」ですか。そうですかそうですか。そうですね、じゃあ同じSTGでかつ横画面縦スクロールSTGで自分の好きなレイディアントシルバーガンの台詞から引用してこのゲームを送り出したカヤック&ガルチに対しての言葉を持ってこの感想を締めたいと思います。

「あんた、正気なのか?自分のやっていることがわかってるのか?」



0 件のコメント:

コメントを投稿