2019年1月4日金曜日

今月の一本 ネコネイビー

今月これです。このゲーム作った人ホントに矢川STG好きだろうと思うばかりなのです。
あと後半のおまけの薄気味悪い文章は読まなくて結構です。
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DATA
発売 / 開発 Fruitbat Factory:/デスモフモフ
登場時期 : 2017(Steam)/2018(NS)
ジャンル : 大破壊横STG
機種 : Nintendo Switch/Steam
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~とりあえず破壊せよ~
「STGは爆発だ」
そう、そうなのだ。STGは爆発なのだ。もっと言うならば「ゲームは爆発」なのだ。燃え上がり、炎を上げ、煙が立ち上る。破壊音と広がる爆炎…。それこそがゲームなんだSTGなんだ。何もかも破壊し尽して、その後に広がる爆風が見たいんだ。何もかもぶち壊したいんだ。ぶち壊した果ての爆発が見たいんだ。それだけが僕の望みなんだ。群がる雑魚敵や戦闘機を暴力的な強さのショットで焼き払いたいんだ。硬い中型機やボスにこれでもかと撃ち込みあらゆるパーツというパーツを爆撃したり圧倒的な火力のボムで何もかも焼き尽くして炎を噴き上げて沈んでいく機械が見たいんだ。噴き上げる炎の中を駆け巡りあらゆるものを壊しつくしたいんだ。それが僕の願いなんだ。火力だ。圧倒的な火力で全てを壊す必要があるんだ。僕はそうしなければいけないんだなるべく早く早急に何もかも壊さなければいけないんだ。破壊爆破破壊爆破破壊爆破破壊爆破爆破爆破……
いきなり気の触れたことを書いてしまったがこれは筆者が日常的に考えていることなので仕方がない(そっちの方が問題あるんじゃねえのか)。STGの中にはこういった爆発演出にこだわった大破壊STGが存在し、そういった爆発魂溢れる大破壊STGばかりやっているとこんな思考回路になってしまうのだ。今回紹介する「ネコネイビー」をプレイしてもらえば、筆者の頭がデストロイされているわけでは無いことが1ミリくらいは分かってもらえるだろう。

~何もかも焼き尽くせ!~
ネコネイビーは非常にオーソドックスな横スクロールSTGだ。全7面、ショットとボムの攻撃手段とシンプルな構成である。3種類の自機+隠し自機から一機選んで7面攻略していくのが主となる。スイッチ版では∞モードが搭載され自分の限界を迎えるまでゲームに没頭できるモードも存在している。難易度は初心者も大安心のイージー、実質的なノーマルの役割を果たすハード、選択画面に「やめとけ」と表示されているデスの3つがある。
まず目に飛び込んでくるのはゆるーい手書き風のグラフィックである。自機はゆるーくて可愛くてニャーンな感じのネコであり、敵キャラもこれまたゆるーく可愛らしい。見た目だけを見ればとてもデストロイで危険な作品には思えない。
次に飛び込んでくるのがこのゲームの核となるボムである。敵を破壊すると手に入るネコアイテムを一定数集めることでゲージがたまりボムを撃てるようになるのだが、これがすぐにたまるのだ。ボムを撃ってからものの数秒もしないうちに次のボムが使えるようになる。つまり、実質的にボムは無限に使えるのだ。
アレ?窮地をボムで脱出したのにもうボムが使えるようになってるよ?無限にボムを使えるということは、無限にボムを使っても良いということだよね。良いのか。良いんだな。うむ。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!

ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!エクステーンボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンウボォァー!!!イクゼェボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!エクステーンボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァー!!!ボンバァァァァァァァァァー!!!

ああなんて素敵なSTGなんだ!どれだけ難しい箇所も全てボムで何もかも破壊出来る。超火力のボムが連発出来るというのがまず凄いし、そしてボムを撃ちまくることで敵弾をスコアアイテムに変えることが出来るのも凄い。画面中を覆い尽くす敵弾を全てスコアアイテムに変えてすぐさまエクステンド。道中ボカボカ死にまくってもそれを上回るペースで残機が、スコアが増えていく。圧倒的な破壊の快感と強烈なジャラジャラ感、超速で増える残機に脳が溶けてしまいそうだ。
破壊の快感をこれでもかと強めるのが演出だ。ゆるふわなグラフィックなのはそうだが爆発グラフィックも手書き風。これで迫力が出るのかといえば、これがもう出まくり。まず雑魚を破壊するだけでも驚くほどの爆発。そして特筆すべきはその滑らかなアニメーションと爆発の広がり方、サウンドエフェクトだ。雑魚を破壊すれば爆炎が広がり、爆発と爆発が繋がることで大爆発を生み出し、燃え盛る炎から黒煙が上がる。爆発が起こる度に「ボォン!」「ドゴン!」と鳴り響く。雑魚ですらこの感じなので中型機ともなるともう凄い。軽く胃に来るようなずしりとした爆破音と画面を大きく覆う爆発。たまらない。ボス撃破時では頭がおかしくなるくらいヤケクソ気味に画面全体のあちらこちらで爆発が起こり爆発が新たな爆発を生み何もかもが炎で覆われる。ここに自機のボムまでもが加わるのだからもう訳が分からないほどの爆発祭り状態。自機のボムで爆発が起きれば敵が死んで爆発が起きている。これだ。これこそまさしく大破壊STGだ!破壊の快感をこれでもかと突き詰めたその作りは他の大破壊STGと比べても引けを取らないほどだ。
ここまで破壊描写が凄いと殺伐とした感じも漂ってしまうが、そこをゆるゆるで可愛いグラフィックが独特の味を引き出している。手書き風なので統一感があるのは勿論のこと、戦闘機には目が(というか顔が)付いていたり、どことなく優しくゆるいタッチなので殺伐度合いをそこまで感じない。つまりはふらっと気軽にプレイ出来るような惹きがあるグラフィックに仕上がっているのだ。そして実際プレイしてみたら爆風飛び交いまくりの演出が繰り広げられるので良い感じのギャップになっている。
ゲームバランスも良好。スコアがボカボカ増えて残機が異常な速度で増えること、ボムが実質無限に使えるということで独自のバランスを形成している。ボムは無限に使えるのはそうだが、かといって適当なタイミングで放ってばかりだと終盤では流石に追い込まれる。それを気合で何とか頑張る!…のではなくどこでどうボムを放つかを考えたり、ボムをためるためにどう動くかを考えることの方が重要だったりする。ボムをためるのに重要なのは敵に近づいて即破壊する「ブレイブシステム」。接近戦を仕掛けることで、ボムを撃つのに必要なネコアイテムがいつもより多く出る仕組みになっており、時には男らしく敵の中に突っ込みボムを稼ぐことも重要になるのだ。また慣れて来たらエクステンド直前であえて自爆(ミス)してネコアイテムを無理やり出す→ネコアイテム回収で即ボンバー→エクステンドで窮地脱出なんて芸当も出来るようになるだろう。この辺のリソース管理のバランスが極めて良く出来ており非常に完成度の高いSTGになっている。決して適当にボム撃ってりゃいいんだろという大味STGではないのだ。
また、先述したグラフィックもこのゲームバランスに一役買っている。襲い来るゆるキャラとの空中戦がネコネイビーのテーマなのだが重要なのはこのゆるキャラ。どいつもこいつもゆるくて可愛らしいのだが重要なのは攻撃がハッキリしているということにある。この敵はこんな攻撃を仕掛けてくる、というのが分かりやすくしかも覚えやすい作りになっているのだ。例えば赤く光るクラゲはホーミングレーザーを放って来たり、医療用カプセル(マジで敵として出てくる)は撃ち返し弾を放って来たり、右下から出てくるカエルは登場後少しすると全方位弾幕を放って来たり、バトルガレッガのブラックハートを小型化したような中型機は下にミサイルを投下し投下したミサイルが起爆するとこれまた全方位弾幕になったりといった具合だ。また、ボスの攻撃も言うまでもなく重要。パターンに沿っていることと、そのパターンの中でも攻撃が激しい時とゆるい時とがハッキリしているので厳しい時にはボム、ゆるい時は気合で何とか、といった戦略を組むのも攻略の鍵となるしそれが良質なバランスを構成しているのだ。
ネコネイビー最大の魅力は爆発!…なのだが、敷居が低いということも筆者としては声を大にして言っておきたい。ショット&ボムというシンプルさに加えてアホほどエクステンドする変な気苦労を抱えない作風もネコネイビーならではのものだ。特にエクステンドが容易な上に残機を大量に抱え持てるというのが非常に良い。いくら死んでも取り戻しが効くので、STGで残機が無くなった時に感じる異常な緊張感や強迫をそこまで感じない。気軽に気楽にプレイしやすいのだ。また流石に終盤は敵の攻撃も激しくなりひょんなことからの事故死も相次ぐようになってくるが、その分パターン性が強くなってくるのでどこでボムを撃つかを考えれば突破しやすい作りになっている。敵の攻撃の視認性も良く、敵自体のインパクトも強いことから「あいつはヤバい」というのがプレイを進めるうちになんとなく分かっていく構成になっている。これはSTGを分かっている人だからこその成せる技だろう。気軽にプレイ出来て、爆発描写は文句なし。興味があったらふらっとプレイしてみてほしい作品だ。また、PC版のネコネイビーでは難易度ハードのみだがなんと最後までプレイ可能という大盤振る舞い過ぎる体験版が出ている(コネコネイビー)。こちらから入ってみるのも良いだろう。

~∞爆発~
アーケードモードの難易度は全部で3つ。イージー、ハード、デスなわけだがこのうちイージーは初心者向けのモードでありここがクリア出来たら次はハードに挑み、ハードがクリア出来たら次はデスに挑むことになるだろう。ハードでもその辺のACのSTGと比べるとかなり抑え目で遊びやすい作りになってはいるものの終盤のラッシュ(特に6面~7面)に苦戦する人もいるかもしれない。基本的にアドバイス出来るのは先述した通りボムを上手く使いこなすことが重要となるわけだが、厳しいようなら自機を色々変えてみるのも一つの手だ。ノーコンテニューでなくてもクリア出来れば隠し自機が加わる。強い自機でまずは1周してみるのも良いだろう。筆者のオススメは直線番長のMIRACLE、広範囲への安定性を誇るCHIYOKO、隠しかつ看板娘なだけあって最強クラスの性能のEUGENEだ。特にEUGENEは高性能のボムに超火力のショットと隙の無い性能になっている(無計画にボムを撃つと後が続かないなど弱点が無いわけでは無いのだが…)。
デスモードではハードとは次元が違う画面を覆い尽くす弾幕&目視出来ないほどの弾速となり敵自体も絶対殺すという殺意に満ち溢れはじめ1面の時点で変な笑いと汗が出てくるほどで、無理無謀な難易度と化している……わけでは無い。デスモードもネコネイビーの基本「ボムを効果的に使う」を意識すれば突破は不可能では無いものになっている。デスモードの特徴は異常な弾幕だが、これは逆に言えばボムを撃てばその弾幕を全てスコアアイテムに変えられることを意味する。ということは?ハードを上回る速度で残機が増えるのだ!一回死んでも2機増えれば何の問題もない。またボムを撃つのに必要なネコアイテムもボコボコ出るようになる。そのため絶え間なくボムを乱射して生き残れるバランスになっているのだ!ボムの切れ目が命の切れ目、と言わんばかりの調整。画面を覆い尽くす爆発も最高峰なので是非とも腕に自信がある人もそうでない人も一度その光景を見て頂きたい。
Switch版では∞モードという、無限にプレイ出来るエンドレスモードが追加されている。そしてこの∞モードが出色の出来。ランダム性の強い敵出現パターンに対してボムをどう撃って生き残るかというのが本編と違う戦略を求められる。そしてこれが非常に面白くそして難しい。本編ではあそこがヤバいからそこにボムを持ち込もう、という計画性を持っていた部分がヤバい敵を処理したらまたヤバい敵が…みたいな敵出現のランダム性で封殺されている。そこを己のプレイングスキル、そしてボムとエクステンド調整で切り抜けていくのが楽しすぎるのだ。気軽に手軽に没頭出来る作りに、妙に印象に残るボーカルもいい味を出している。このモードも終盤(WAVE70以降)は常軌を逸した弾速になっていくのだが、その剛速球をかわしつつボムタイミングを計るのが極めて面白い。永遠に爆発を楽しめる、ということで本編だけでなくこちらも非常に完成度の高い出来だ。



~おまけ:俺と爆発STG~
ホントはこれを冒頭にしようと思ってたけどなんか脱線し過ぎたので……。爆発STGに幸あれ、ということで書き残してはおきます。
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「STGは爆発だ」
そうSTGは爆発なんだよ。矢川STGとかマジでこの辺の爆破演出に命を懸けていて感動したんだよ。「バトルガレッガ」での弧を描くような爆炎演出に見とれて飽きもせずに5年以上かけてクリアを目指したよ。「バトライダー」ではゲーム自体のテンションが上がって爆発の具合も更に洗練されたものになったりショーティのレーザーボムやマリアやストローマンの凶悪ボンバーには思わず笑いが起こるほど好きだったんだよ。「黒復活」は烈怒レーザで中型機をぶち抜く快感が胃に来るような爆破演出とジャラジャラ感で強化されてて白よりも優れてると思ったんだよ。「大往生」「ケツイ」が今よりSTGのことを分かって無い時難しくてもやってたのは破壊の快感が優れてて面白かったからなんだよ。「雷電Ⅱ」「雷電DX」での爆発と共に飛び散る破片と、その燃えた破片が森に落ちて木が燃えるというこんな普通の人見ないところまで異常な執念で書き込まれているなんてどうかしてると思ったし、セイブ開発はとんでもないゲームメーカーなんだなと思ったよ。ライデンファイターズではゲーム自体の重厚性は鳴りを潜めイカレたテンションで暴走するゲームだったのにボムの胃に来る爆風と爆撃だけは雷電そのままで涙が出るほど感動したよ。タイトーSTGも爆破描写が凄くて、「メタルブラック」でのボス撃破時の世界地図演出にハッとさせられたよ。「ガンフロンティア」の船を破壊すれば油が広がるという当たり前のことを徹底的に描いた演出に驚愕したよ。「ダライアス外伝」のブラックホールボンバーの異常な迫力に驚いて、ボス撃破時のヤケクソ的な爆発の嵐と効果音に感動したよ。「レイクライシス」は「レイフォース」や「レイストーム」よりも語られてないけどあまりにも眩しすぎる光の演出と爆破描写にTAMAYOさんのテクノが重なったあの世界に魅せられたよ。「ダライアスⅡ」の核トーチカを初めて起動させたときはそのド迫力の爆撃とすぐに消えてったボスにタイトーはバカすぎると笑い転げたよ。「ダライアスバーストAC」では鯨とかデカすぎるしそれを倒した時の画面半分以上を埋め尽くす爆撃に感動したよ。「シルバーガン」「斑鳩」もボス撃破時のズシリと思い爆破描写や特に斑鳩では処理落ちまでしてその憑き物が落ちたような感触がたまらなく好きなんだよ。動画で見ただけだけど「P-47 ACES」とかマジで爆風と爆散演出が狂っててNMKは本当に頭がおかしいとビビったよ。「サマーカーニバル'92烈火」ではFCとは思えない演出の数々と無限にボムを撃てるという衝撃的なゲームデザインにカルチャーショックを受けたよ。「SF特攻空母ベルーガ」ではバカすぎるステージクリア時の爆発描写に笑ったし、16Bit版はマジで狂ったほどの爆発の嵐で涙を流すほどだったし今でもたまにノーコンテニューハラショーしたりするほどVitaでNo1のSTGになったんだよ。そして、矢川STGならではの弧を描く爆撃と異常なまでの爆炎演出、更に無限にボムを撃てるゲームデザインに敵までもがボムを撃ってくる「ピンクスゥイーツ」は自分の中での最高の大破壊大暴走大殺戮STGになったんだよ。その他にもいろんな大破壊STGがあり爆破演出に命を懸けたSTGがありそのどれもが素敵なゲームだったんだよ。分かってくれるか。
こんなことを書いたところで何一つ分からないとは思うがとにかくSTGは爆発なんだよそれが全てなんだ。そんな素敵爆発STGの傑作ネコネイビーをやればそのことが分かる。きっと分かる。たぶん。

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