2018年3月31日土曜日

今月の一本 Enter the Gungeon

今月はこれです。全キャラやり切って無いけれど、過去は始末出来たので何とか間に合いましたか。相も変わらず個人的感想を含んでるので全体的に破綻してふわふわした文章になってます。いつものことといえばいつものことですけど。ホントすみません……。
ゲームとしてはチクチクと進んでいくゲームが好きなら間違いなくハマることだと思います。スイッチのアクション、シューティングの中でもかなりのオススメ作品でございます。他機種(PC含む)でも出来るので是非ともプレイを。
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DATA
発売 / 開発 :Devolver Digital/ Dodge Roll
登場時期 : 2016/2017
ジャンル : 弾幕ローグライクアクションシューティング
機種 : Win/PS4/XboxOne/Nintendo Switch

��譲れないものがそこにはある~

「Enter the Gungeon」は銃のゲームである。もっと言うなら銃の銃による銃のためのゲームである。いきなり訳のわからない言葉から始めてしまったが、実際そうなのだから仕方がない。
攻撃手段が銃なのは、まあアクションゲームならよくある話だ。が、その武器となる銃の数は滅茶苦茶に多く(容易に100を超える!)、敵は弾丸をモチーフにしたもので彼らもハンドガンからライフルなど銃をぶっ放してくる。ゲームの目的も「過去を始末する銃」を手に入れることであり、体力ゲージも弾丸を組み合わせてハートにしたものである。果てには通貨まで弾丸(薬莢)であり足りない時に買い物しようとすると「財布が弾切れみたいだぜ?」と言われたりもする。そもそも「ダンジョン」ではなく「ガンジョン」である。
ゲームを構成する要素のほぼ全てが銃に関係していて何もかもが銃まみれである。いったい何がどうしてここまで銃まみれになったのか、それは分からない。
ただ一つ確実に言えることは、開発した「Dodge Roll」にとってこの銃の要素は譲れないもの、こだわりであっただろうということだ。タイトーの「ガンフロンティア」みたいでイカすじゃないか!
今作はそんな統一された意志を感じさせるキュートかつハードコアなアクションゲームである。こだわりをひしひしと感じつつ持ってる銃をぶっ放せ!バキューン!

��弾幕STG+ローグライク=ハードコアアクション~
今作はツインスティック系ローグライクアクションSTGである、と書くと「The binding of isacc(アイザックの伝説)シリーズ」が脳裏によぎるが似ているようでかなり違う。
入るたびに構造が変わる不思議のダンジョンならぬガンジョンへ潜りボスを倒しつつ踏破するのが目的であり、操作としては移動、ショット、アクション、アイテム使用、ボム(ブランク)の使用、リロード、武器チェンジ、アイテムチェンジ、ドッジロール(緊急回避)、狙い、マップ表示を適宜使っていくのが主な基本で、例としてNS版では左スティックで移動、右スティックで狙い、Rでショット、ZRでアイテム使用、LまたはAでドッジロール、ZLでマップ表示、Yでリロード、Xで武器チェンジ、Bでアクション(店でアイテム買ったり宝箱を開けたり)、方向上でアイテムチェンジ(二つ持っている場合)、右スティックと左スティック同時押し込みでブランクの使用といった具合だ(コンフィグがあるので好きなようにカスタマイズしてよし)。
動作がかなり多いのでアクションゲームとしては慣れるまでそれなりに複雑かもしれない。基本的には移動と狙いとショットとドッジロールさえ覚えれば問題はなく、チュートリアルが極めて丁寧なのですんなりと入ることができるだろう。
特徴としてはツインスティック系ではショットと狙いが独立していることだ。また武器が銃なのでリロードを挟む必要があるものが多く、弾切れという事態も往々にしてよく起こる。撃ちまくりSTGであることは事実だが、むしろ的確な狙撃による銃の残弾維持、リソース管理が重要になる。「ヒット&アウェイ」を強く意識した切れ味ある戦闘が今作の醍醐味だろう。
さていきなりだが今作の難易度はかなり高い。その理由としてはシューティングでありローグライクだからである。序盤のうちから割と熾烈な弾幕が飛び交い奥に進むにつれてその激しさを増していく。ここにローグライク要素の「入るたびに構造変化」「落ちているアイテム、宝箱、ショップの品ぞろえの変化」が加わりボスも変わったりするので攻略のとっかかりが掴みにくい。さらにバランス面において考えて動かないと残弾やらお金やら宝箱を開けるカギやらがかなりカツカツになりやすい調整である。根本的な難易度が高めで、そこにランダム要素が加わるというのが結構な曲者だ。
しかしやり込むことでじわじわと先に進めるようになる作りが非常に上手い。今作はローグライクである以上にアクションシューティングである。すなわち、敵の性質を覚えいかに対処していくかを考えることがカギとなる。その点に注目するとドッジロールを効果的に使っていくことが重要なことに気が付くはずだ。ドッジロールは発動中無敵であり、これを利用して弾幕を避けるのではなく飛び越えるとダメージを受けにくい。弾と弾のわずかな隙間を抜ける必要はなく(というよりも今作は当たり判定が割と大き目なのでそうするとより危険である)、才能と気合任せではなく理詰めと経験でしっかり避けられるものになっている辺りは今作がSTGとして極めて優れているという証拠だ。また弾速は遅めで見て認識してから回避は十分に可能、無謀な弾幕に見えても抜け道がるなどやればやるほどにしっかり手に残るものが確かにある。また敵との戦闘にしても机を盾にしたり柱など遮蔽物を上手く使うことでより安定性を増すことができる。戦闘中に考えることは意外と多く、どんな方法でも勝てば全て解決する作りなので、知れば知るほどに先へ進めるようになるだろう。
ゲーム側からもこのやればやるほどに先へ進めるようになることを後押ししてくれるのもポイント。ボスを撃破することでヘゲモニークレジットなるものが手に入り、これは死んだらリセットされるローグライク要素の中で唯一その枠の外にあるリセットされず蓄積されるアイテムである。拠点にてこれを一定量支払うことでアイテムがアンロックされるようになり、これで強力な銃やらアイテムやらが手に入りやすくなる。またガンジョン攻略中に囚われているキャラを救出すると拠点にてこれまた強力アイテムをアンロックしてくれたり、冒険中的当てゲームを主催して結果に応じてアイテムをくれたり、ガンジョン内にショップを立ち上げたりと様々な方法でガンジョン攻略を後押ししてくれる。やり込めばやり込むほどに強力な銃をぶっ放して先へ進めたり、通常店以外の店を利用して更にプレイの安定性を高めることができる。ジャンルがジャンルでありストイックな面もかなり多いものの、その一方でこうしたように慈悲ある作りでもあるのだ。
ローグライクとしてのバランスも破綻しておらず、知識が付けばつくほどに安定してプレイを楽しめるようになるのも見逃せないところ。「必ず階層ごとに宝箱が二つ、ショップが一つある」ということを知っていればリソース管理をうまく考えることによりリターンが返ってくる可能性も高くなる。銃の引きなど運の絡む要素も多いがそれ以上にリソース管理や銃の使い分けが重要である。
こうしたポイントが分かってくるともうガンジョン中毒状態である。あんな銃やこんな銃との出会い!敵の熾烈な弾幕パターンを読み切りドッジロールでパパパッと回避!ボスに向かってロケットランチャーをぶち込んだり!あるいは雑魚にぶち込んだり……!。特に銃の数が非常に多いことから毎回違う戦略をその場で考える必要があるのが面白く、銃を引き「この銃は雑魚殲滅用にしよう」「これはボスで役立ちそうだ」と考えていくのが楽しくて仕方がない。アホほど強い銃を拾って無双しまくれる時もあればリソースが尽き果て初期銃でひーひー言いながらそのやられるまでの大往生を楽しんだり。今作もまた1000回遊べるローグライクゲームであると断言できる面白さを持っているのだ。

��ポップでキュートな血みどろ殺劇~
弾幕に加えてローグライクでもあるので弩級のハードコアゲームの印象が強い今作だが見た目は非常にキュートな趣である。敵は弾丸をモチーフにしたガンデッド教団。ブレット族はテコテコと歩いて銃を撃ってきて何とも可愛らしい。やられ際にはかわいい悲鳴をあげるのも印象的だ。プニョと呼ばれるスライムも実にプニョプニョしていてうにうにしている。この雑魚敵の可愛らしさにより楽しげな雰囲気が倍増している。雑魚がかわいい一方でボスは結構なボス感溢れたものが多いが、その中でも一瞬見せるキュートな部分がたまらない。双子の弾丸兄弟は片割れが倒れるとムキーと赤くなり攻撃が(ちょっと)激しくなる。プニョの王たるキングプニョは弾幕でプニョをモチーフにしたものをばらまいて来たり。キングブレットを倒した時に大臣が生きているとオウオウと泣いている大臣が見れたり、かと思いきや次の階層のボス戦で別のボスの側近に寝返っていたり……。見ているだけでも楽しい場面の連続である。
一方かわいい中に潜む残虐性も結構なもので、ボスのメデューサを倒すと石化するのだがその石化したメデューサに銃を撃つと粉々になったり。あるボスでは死体がカラスに食われたりなど「ひっ!」となる場面もちらほらある。雑魚も雑魚で盛大にゲロを吐いてくる奴がいたりと油断ならないぞ!

��あんなものからこんなものまで登場!~
今作は一にも二にも銃であり、銃が主役のゲームであり、登場する銃はやけくそ気味に多い。無論銃ごとに特徴が異なるので如何にその特徴を見極め使っていくかがカギとなる。銃の性能をより多く把握するのが攻略のとっかかりだ。火力は高いが弾切れしやすい、連射が効くが火力が低い、安定した性能だが弾数少な目、非常に強いがリーチがない、チャージ式なのか、それともセミオート連射か、はたまたレーザーか、ショットガンなのか、ハンドガンなのか、ライフルなのか、トンプソンなのか、属性が付いているのかなど性能だけを見ても本当に多種多様である。好みが分かれるとは思うが、これらの銃で使えない銃の類がほとんどないというのもすごい話である。
しかし銃で最もすごいのは性能ではなくネタの多彩さにあるだろう。ハンドガン、レーザーガン、ショットガン、ロケットランチャー、ミサイルなどの種類も多いがその一方で、平然とロックマンのロックバスターのような銃が出てきたり、水鉄砲も何事もないように登場、魚をタルから発射する銃があるかと思いきや火炎弾を発射するフレイムハンドなんてものまで、そのうえ悪魔の槍やらソードも飛び交い、亀の甲羅を飛ばす銃があれば、働き蜂を生み出す蜂の巣があるかと思いきや、石を撃つパチンコも堂々と登場。しまいにはギターやら小文字のrやらホームランバットまでもが銃として使用可能である。もはやこれは銃なのか?いや絶対これは銃じゃないだろ!とこちらの突っ込みを全部無視して「俺は銃だ」と主張しながら次々と出てくる。トンデモ銃から見た目からしてヘボそうな銃まで様々だが一貫しているのは「使えない銃はない」ということであり、見るからに弱そうな魚を発射する銃からパチンコまで実践で活躍してくれる。特にパチンコは非常に高火力で使い勝手の良い銃の一つだろう。このトンデモ銃を軽快に使いこなしてくのも今作の魅力である。そして図鑑の文章も非常に面白いものになっており奥深い。ローカライズの質も盤石なものである。これを楽しみにガンジョンに潜るのもまた一興だ。


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