2019年4月30日火曜日

ドンキーコング3感想文

ドンキーコング3の感想です。本当は50万達成時に書こうと思ってたんですが、なんかもうすぐ平成も終わっちゃうしってことで急遽なし崩し的に……
色々と惜しい作品ですが今作だけが持つ魅力も確かにあると思うので興味があれば是非とも。
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DATA
発売 / 開発 :任天堂 / 任天堂
登場時期 : 1983/1984(FC)/2019(Switch)
ジャンル : アクションSTG
機種 : AC/FC/Switch/これ以外にもPC版があるらしいがどうもゲームデザインが多少異なるらしい 
プレイ状況
・アーケードアーカイブス版にて45万
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0.初めに
1.ゲーム内容
2.詳細内容
3.難点など
4.総論
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0.初めに
「微妙」
このゲームをプレイした人全員が思う感情です。
何が?という問いには様々な答えがあります。ドンキーコングシリーズの続編として。物語や世界観設定として。主人公が。そして存在そのものが。
全てにおいて驚異的な完成度だった初代ドンキーコング、マリオが敵役という衝撃のキャスティングと多少変化したアクションでこれまた人気を博したJr。それに対して3はとにかく語られてない印象があります。それはやっぱり微妙さが絡んでいるのではないかと思うわけです。
しかし、今作を自分は面白いと思ったこと。それは間違いのないことなのです。
あまり語られてなかったその面白さを書いていきたい所存です。
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1.どんなゲームなの?
任天堂の中では極めて珍しいSTGの要素を多分に含んだ固定面アクションSTG。植物園を襲うドンキーと昆虫(蜂)たちから花を守る為にスタンリーが立ち上がった!という、何とも言い難い世界観の下、固定画面のフィールドを縦横無尽に動き回り殺虫スプレーを駆使して蜂とドンキーに立ち向かう。
全3面構成だが、1周目のみ1面と3面で構成されている。つまり、1-1→1-3→2-1→2-2→2-3→3-1→3-2……という感じにステージが展開される。
1機ごとにパワーアップアイテムとしてパワースプレーが支給される。これの使い方がカギを握る。
また、花を守る防衛要素も含んでいる。花はスコアに直結しているため極めて重要な要素の一つ。
クリア条件は1面と2面ではドンキーをてっぺんに追いやるか、出てくる昆虫を全て倒すこと。3面はドンキーをてっぺんに追いやることのみ。
過去2作とは異なりまさかのマリオ不在。その後の作品に全く登場しない、キャラもパッとしてない主人公のスタンリー。殺虫スプレーをドンキーのケツに当てて上へと追いやるゲーム内容と非常に何とも言い難いゲームとなっている。
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2.主観的に
非常にシンプルなゲームといって良いです。固定面アクションとしての完成度は高い方だと思います。
やるべきことは単純明快、敵を全て倒すかドンキーを上へ追いやることのみ。敵の攻撃を避けて狙い撃つ。一見するとかなり異質なゲームですが非常にSTGしていると思います。
しかしどうにもその面白さが語りにくいこと、そこがこのゲームの微妙な立ち位置を加速させています。
1面のデモの存在により物語性でも美しかった初代と異なり今作は非常に弱い。3面のオチくらいしか思い浮かぶことも無いですし。キャラもマリオじゃないですし。
工事現場で樽を投げるゴリラ、それを避けるジャンプマン、ツルを使ったゴリラならではのアクションといったゲームならではの滅茶苦茶性を抑えたからでしょうか?視覚的な楽しさは過去2作に劣っていると言わざるを得ません。
自分がこのゲームで感じた面白さ、楽しさはその全てがスコア稼ぎに依るものでした。逆に言えば、敵の攻撃が激しさを増す高次周になるまで何が面白いのかを理解することすら難しい有様でした。
マニア向けの作品と断言せざるを得ないでしょうね。

2-1.先へ進むために
今作は極めてアーケード的な難易度上昇曲線を持ったゲームです。これは先へ行けば行くほど難しいということに他なりません。しかし敵の攻撃を適当に増すのではなく、新たな敵を出すという形でそれを取り入れています。
まず1周目、花を狙う通常の敵しか出てきません。
続いて2周目、2回攻撃を当てなくてはいけない蜂が登場します。更に倒すと撃ち返し4WAY弾が飛んできて移動制限をかけてきます。
3周目、スタンリーとのY座標が合ったら一寸まって高速で突撃してくる敵の登場です。
4周目は3周目と同様ですが敵の攻撃が激しくなっています。
5周目、花を狙う敵がパワーアップを遂げ花を持ったら高速で逃亡していきます。
6周目、ドンキーが自機狙いで定期的にタルを投げて攻撃してくるようになります。
7周目、Y座標があったら高速突撃してくる敵の一寸待つという仕様がなくなりそのまま突撃してくるようになります。
8周目以降は辿り着いた経験が1回程度しかないので何とも言えないのですが、敵の変化が見られたのでまだ何かあるかもしれません。
後半面はハッキリ申し上げてノーミスでクリア出来るような難易度調整ではありません。そこで重要となってくるのがエクステンドとクリア方法が2種類あるという事実です。
アーケードアーカイブス版の仕様はエブリ3万エクステンドです。これはかなり緩い設定だと思います。具体的に、花を全部守ることでパーフェクトボーナスで7500点(500*5+5000)入ります。2ステージクリアするだけで15000点入るわけです。しかもこれはボーナス点のみなので、タイムを点数換算したり撃破点を含めるならば2ステージクリアするだけで容易にエクステンド出来ます。
更に恐ろしいことにパワーアップアイテム、パワースプレーの仕様がここに絡んできます。これを取得し連射することでドンキーを頂上へすぐに追いやることが出来ます。つまりステージを実質ノーリスクで飛ばすことが可能ということです。一方でパワースプレーは1機につき一つしか使えません。このため、あえて死んでパワースプレーを出してステージを飛ばしに入るという自殺が戦略に深く絡んでくることになります。
容易なエクステンド、自殺が戦略として機能すること。自分はこのゲームにバトルガレッガ(矢川STG)のような戦略性を見出しました。死と隣り合わせの稼ぎと攻略が面白かったのです。

2-2.情報の海
ドンキーコング3最大の核となる面白さは画面内に表示される情報が極めて多いという事実です。
ゲームには無視できる情報と無視できない情報が存在しています。
無視できる情報というのは、そこに注意を払わなくてもなんら問題のない情報のことです。あるいはその脅威を無力化する術がある情報のことです。彩京STGにおける偶数弾(ただし事前情報は必要)とか弾幕STGで爽快感を演出するために登場する雑魚編隊(適当に撃ってりゃ勝手に死ぬ)とかがその類です。
無視できない情報は、攻略上有効なアイテムであったり危険度が高い敵であったりゲームプレイの状況を左右するものです。
ゲーム攻略を考える上ではこの無視できる情報を増やして無視できない情報を把握することが重要です。STGにおける自機狙い弾の分析とか奇遇の法則とか、アクションゲームにおける敵行動パターンの把握とか。

ドンキーコング3には無視できる情報が存在していません。画面内に表示される全てが脅威であるという、想像を絶するゲームデザインになっているのです。こんなゲームを自分は今まで見たことはありませんでした。
まず花を狙う雑魚、非常に不規則な動き方を行い花に近づいていきます。花を取られたら取り返さないとエクステンド的にも厳しくなるので当然無視は出来ません。スタンリーをきっちり動かして真下に潜り込んできっちり撃つ必要があります。
撃ち返し4WAY蜂。4WAY弾は静止していれば当たらないので存在自体はそこまでのものではありませんが、他の攻撃と絡むと危険性が異常増大します。特にドンキーが攻撃してくる周に入れば下手なタイミングで殺すとほぼアウトです。
Y座標突撃雑魚、現在位置Y座標が危険になるので当然無視できません。後半ではY座標が合った瞬間に突撃してくるのでより無視できません。
ドンキーの自機狙いタル攻撃、自機狙いなので動き続ければ当たりませんが常に動き続けないといけない制約が課せられます。
どのステージでも飛んでくる単発自機狙い弾が更に煽って来ます。撃ち返し4WAY雑魚からは弾幕を形成するがごとく連続的に放たれることもあり驚異です。
更に時間経過によりフィールドを芋虫が這うようになり、強烈な自機移動制限がかかります。ショットを当てても一時的な無力化にしかならず、パワーショットでないと倒せません。
ドンキーが下まで落下して来ればミスであり、危機感を煽る音楽と共に更に煽ります。
残り制限時間、0になってもしばらくの猶予があり(ドンキーが捕まってるツルを食べる雑魚が登場し、下まで落下しやすくなる)基本的には気にしなくても良いですけどこれが残ってクリアするほどエクステンドしやすいので重要ではあります。
パワースプレー、一発逆転にして最強の破壊兵器であり無駄使いを避けるためにも適切なタイミングでの取得やその調整が必要になります。
といった具合に、敵だけでなくアイテムすら無視できない情報と化しているのです。

無視できない情報の多さは何を引き起こすか?脳の処理のオーバーフローによる突然死、事故死に他なりません。
死に至る過程は色々あります。例えば撃ち返し4WAY蜂を処理しようとしてたらドンキーがタル投げてきたので横に避けたら撃ち返し弾に激突したとか、Y軸突撃雑魚を待ち構えていたら花が攫われたので追いかけて処理しようとしたら突撃されたとか、パワースプレー取って景気よくステージ飛ばしを行おうとジャンプ+連射してたら絶妙な角度から単発自機狙い弾が飛んできて衝突したとか。
この側面だけをみたら何で死んだのか分からない、死に再現性が無い理不尽なアクションSTGで終わっていたでしょう。しかしドンキーコング3は、段階的な難易度上昇のデザインと分かりやすい視認性からその理不尽さを感じにくい、挑戦性を引き出させるものになっているのです。

段階的な難易度上昇は、序盤でちゃんと後半での基本が学べるようになっています。いきなり撃ち返し4WAY蜂とY軸突撃雑魚を同時に出したらそれは理不尽極まりないですが、2周目は撃ち返し4WAY蜂、3周目でその複合体という形式にすることで4WAY蜂の対処を分かった上でY軸雑魚の対処を考えやすく出来るわけです。
実際自分がドンキーコング3を続けてきたのは、突然の難易度暴騰がなかったことにも依るのです。
そして固定画面アクションとして、必要なものが全て1画面に収まっていることです。どこに何があるのか分からんまま死んだ、という状況は存在していません(今は改善されましたが、実はこれには大きな落とし穴があります。後半で述べます)。個々の情報を認識しやすい作りになっているのですね。
そして敵の攻撃それ単体での対処は極めて容易であるという事実も外せません。撃ち返し4WAY蜂、少し離れたところで2発ショット当てて真下で静止してれば無傷です。Y軸突撃雑魚、軸をずらせば終わりですし上から軸合わせに来てる時に倒すという方法も考えられます。芋虫が徘徊し強烈な移動制限がかかる終盤で花が攫われるのがウザったいならまず花を攫う雑魚を先に全部処理してから花を攫うことの無い4WAY蜂やY軸雑魚を残してこれらを処理することも可能です。自機狙い弾はちょっと動いて狙いから外れたところに居れば絶対安全。何なら最後にして最強の手段としてパワースプレーでステージ自体を飛ばすということすら可能です。

これらの側面から、ドンキーコング3は非常に絶妙なバランスのゲームになっているのです。高次周では、情報の海で溺れながら一つまた一つ先へと進んでいくことが本当に面白いものになっているのです。
不規則な動きで近寄ってくる雑魚の下に潜り込み、芋虫にショットを当てていったん上へと上がりY軸突撃雑魚を回避、撃ち返し4WAY雑魚の処理にも向かおうとするもドンキーが自機狙いでタルを投げてくるからちょっと待った方が良い、とかなんとか言ってたらドンキーが下の方まで下がっているから何かのタイミングで撃ちに行かなければいけない……。多数の情報がプレイヤーの脳を混乱させます。何も考えずに取ったショットを撃つとかジャンプするとかと言った行動が3手先を読めなかったがために死に一直線なんてことも日常茶飯事です。絶対に死ぬことの無い撃ち返し4WAY弾が来るなんてことは分かってるのに、Y軸突撃雑魚に自機狙い弾にドンキーの自機狙いタルの前に敗れ去る。目の前に高速でバナナの皮を投げられ横転事故を起こすようなミスを誘う各所のデザインと、それをその場その場で最適解を探して潜り抜けるデザインに自分は魅了されました。今まで見たこともやったことも無い、独特なその体験が面白いものでした。

2-3.死闘50万の道
50万を目指して試行錯誤した過程の備忘録です。基本的に全く面白いものでは無いのでドンキーコング3をよく知らない場合や稼ぎとか興味ない方は読み飛ばしていただいて構いません。

2-3-1.そもそもクリア出来ん…
手をつけ始めた当初はそもそも1-1のクリアすら危うい感じでした。その後パワースプレーで1-1、1-3を飛ばせばええんやな!ということは分かりましたが今度は2-1がクリア出来ません。結局のところ、ボコボコ死んでパワースプレーで飛ばすというプレイスタイルしか実行できませんでした。先には進めますがどこかで討ち死に、スコアも10万程度が限界だったと思います。この時点ではドンキーコング3を、任天堂が作った割にはそんなすげえ面白いもんでもないというのが自分の所感でした。

2-3-2.転機到来、20万到達へ
何とか先へ進む方法はないか、初代ドンキーコングのように難易度上昇の頂点が存在するのではないかとネットを漁っても大した情報も得られぬ中、ゲームカタログにて
「開幕で取得して脇目もふらずにドンキーを撃ち、速攻クリアすることでタイムボーナスとパーフェクトボーナスで残機エクステンドまで速攻で稼ぐのがセオリー」
「一番難しいステージ2の開幕でパワースプレーを取得して一気にドンキーを最上段まで押し上げて速攻クリアし、あわよくばステージ3も速攻クリアかクリア直前まで進める、この間にエクステンドするのでまたステージ1で残機を潰す、の繰り返しである」
との情報を仕入れました。これにより今作は自殺することが戦略として機能する作品なんだなと感じ、実際に死んで稼いでの流れをつかむことが出来ました。そしてようやくその暴力的とも言えるほどの情報の中を駆け巡り瞬時に最適解を探す面白さを体感できるようになったのです。

2-3-3.改良、30万へ
20万は出せるようになって来た中、現行パターンに限界を感じてきたのも事実です。パワースプレーによるステージ飛ばしが肝だとは分かりましたが結局のところ飛ばすステージは2面と3面で良いのか、というのが悩みどころでした。
実際問題2面は真ん中が開いていること故の難しさが存在しています。ところが高次周に差し掛かるとステージ内を常時芋虫が徘徊するようになります。この点において1面でドンキーにそもそも攻撃が通らないというケースが多発したのです。一方の2面は真ん中が開いているのでドンキーが下まで下がってきた場合も真ん中からちょっと押し戻せばいいという点で実は簡単だったのです。
ステージ的に動きの制約が厳しいのは2面に他なりません。しかし、情報量や意識することを少し減らせるという利点があまりにも優れていたので自分は2面を自爆面に設定し3面と1面を同時に飛ばすという流れを取りました。
結果的に2面を飛ばす方法では3面が意外と速攻クリア出来なかったためかなり有効なパターンだと感じています。

2-3-4.遂に40万、そして更なる改良へ…
最終的に上記の2面自爆パターンにて45万近くまで点数を弾きだすに至りました。ここまで来たら50万もやってやろうじゃねえか、とは当然思ったのですがもはやこのレベルになるといつ死んでもおかしくなく鬼のように難しい以外の言葉がありません。安定という言葉とは無縁のゲームデザインも拍車をかけます。
何か見落としがあるんじゃないか?他に劇的な稼ぎの手段が残されているのではないか?と序盤面での動きを見直していると驚愕の事実が発覚しました。
パワースプレーでステージを飛ばした時と全ての敵を全滅してクリアした時のスコアにほとんど差が見られなかったのです。これはつまり、全滅狙いの方がスコアを稼げるという事実でもあります。花持ち去り雑魚が花を持ち去っているときに撃破することで400点が入ります(普通に倒したら100点です)。これを狙いつつ全滅することで大幅なスコアアップが可能だと気が付きました。
更にそもそも1面をノーミスすることに意味があるのか、という根本的な疑問が浮かび上がり、結果としてスコアを狙う目的で自殺を組み込むことにしました。パワースプレーで芋虫狩り+雑魚を残り1体になるまで稼ぎ残り1体になったら自殺、その後パワースプレーを落として雑魚を即破壊することでまずタイムボーナスがステージ飛ばしを行った時とほぼ同様の得点、それに加えて芋虫+雑魚破壊点で凄まじいスコアが稼げます。3面に関しても芋虫を破壊することでのスコアアップの術に気が付いてからはスコアに無理がなくなりました。
これで50万は射程圏内に入りました。しかし実際にスコアを出せているかと言われると…ダメです。
というのも、このパターンの最大の問題点は自殺を組み込んだ故の残機の枯渇です。ほとんどと言って良いほど残機に余裕はありません。1ミスしただけでほぼ崩壊です。そこで中盤までは稼ぎモード、中盤以降は飛ばしモードで行けばいいと考え付きましたが…。そもそも序盤の時点で事故要素があまりにも多く、結果としてステージを飛ばせる段階にすらたどり着けないケースが頻発しています。自分の理想のパターンとしては10面(4周目)からステージ飛ばしに入れると中々、な感じなのですが実際それが出来たことは無に近いです。現在は妥協して7面で飛ばしに入る準備を行ってますが、結果を出せていない感じです。
これをテクニックで打破できるのか、それともまだ上手い方法があるのか、謎は尽きません。
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3.客観的に
以上のことから自分が感じた面白さは情報の海で溺れるという、脳の混乱とそれを潜り抜ける体験にこそありました。それは主に後半面でのことです。
しかしながらドンキーコング3の欠点として序盤もかなり難しいレベルにあるという事実は外せません。初心者や初めてプレイする人にとってとにかく辛いバランスになってることは否定できません。
1周目こそ適当にやってもクリア出来る難度と言ってもいいのですが、この時点で既に雑魚の動き方や気まぐれな行動に翻弄されがちです。更に困ったことに1周目はパワースプレーで飛ばしてクリアも容易です。先へは進めるけど、なんで先へ進めてるかが分からないという状況なんですね。これはあまりよろしくないです。
で、2周目。撃ち返し4WAY弾を放つ蜂の登場です。奇遇の法則を知ってればこれはどうでも良いですが知らない人にとっては大きな壁になります。とはいえ奇遇の法則(4WAY弾は静止してれば当たらない)を学べるので長い目で見れば有効にも思えます。が、近寄ってくる雑魚から逃げようとして激突ということも普通に起こります。逃げまどってるうちに芋虫も徘徊しだして、ドンキーも下にどんどん下がってる。意識することが多くなり意識が分散すれば、不意に死ぬことが多くなります。
このゲームにおいて死亡理由は明確ですが、そこに至るまでの過程は極めて複雑です。4WAY弾でミスしたとして、直接的死因に比べて他の敵との絡みや移動制限など間接要因があまりにも多いのです。「あれをかわしてればミスなく出来たのにー!」という場面は頻発しますが、次同様の場面でかわせるかと言うとそうでもないということが非常に多い。単純な難所難関の把握よりも情報を整理する能力を求められます。しかも序盤からかなりのレベルで、です。
このゲームは微妙な立ち位置の下で存在していますが、この難易度がそれを加速させていることは間違いのないことです。

単純に爽快感が薄い、というのも外せない問題点でしょう。破壊の快感こそがSTGを構成する何よりも大切な要素のはずなのに、実際はちまちま動いてスプレーをシャッシャと撃つだけです。パワースプレー時のイケイケ感との差を出したかったんでしょうが、単純な快感に乏しいのは問題でしょう。ミス時の残虐演出やドンキー落下時の綺麗にオチが付いた演出など、見所が無いわけではないのですが、とにかく地味な絵面でありその点も残念です。自分は好きですけど、この地味さは如何ともしがたいです。
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4.総論
ドンキーコング3は残念ながらやることは明快だが面白さが分かりにくいゲームであると言わざるを得ません。
世界観設定にゲーム内容は何とも言い難いものであり、ゲーム自体は単純な爽快感に乏しくちまちました駆け引きで構成されているものである。決してつまらなくはないけれど、任天堂が送り出すレベルの作品とも思えない。どうにも微妙なゲームです。
しかしながら他のゲームでは味わえないような、ドンキーコング3だけが持っていた面白さというのが確かに存在していたゲームでもあるのです。
情報の海で溺れながらフィールドを駆け巡り攻撃をかわして敵を撃つ、アクションゲームとしての駆け引きとSTGとしての駆け引きが絶妙な作品でもあったのです。稼ぎなんて興味がないという自分を稼ぎの世界に飛び込ませるだけのものはあった作品なのです(他に稼いでみようと思った作品はガレッガ(ただし1000万程度)、ピンクスゥイーツ、ゲイングランド、BLACK BIRD程度です)。
もう少しだけ、何か惹きになるようなものを持っていれば…、もう少し多くの人がこの情報の海を駆け巡るという体験に触れられるような難易度調整になっていれば…。そう思わずにはいられません。
惜しい作品です。



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