2018年12月11日火曜日

今月の一本 ドラゴンブレイズ

今月これなんですけど前書いてたのを熱でうなされてる時に編集したので一部がアレ気味です。
とりあえず自分が一番言いたいのは「適切な難易度でSTGを楽しもう」ということです。はい。
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DATA
発売 / 開発 :彩京(AC)、タイトー(PS2)、ゼロディブ(NS)/彩京(AC)、クロスノーツ、ゼロディブ(PS2.NS)
登場時期 : 2000(AC)/2005(PS2)/2018(NS)
ジャンル : 彩京STG
機種 : AC/PS2/NS
主にNintendo Switch版の紹介
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~最凶のSTG来る~
ドラゴンブレイズは彩京が送る彩京STGでありそして最凶のSTGである。彩京が手掛けた純粋なSTGでは最後となった作品であり、彩京の集大成とも言える作品である……のだが、とにかくハードルが高い作品と言うことでも有名だ。
なんてたって弾量が違う!そして当たり判定は一応普段の彩京よりは小さめだがそれでもほぼ見た目通りでデカい!この時点で既にヤバいSTGだがここにいつもの彩京弾が加わるので衝撃的なコラボレーションになっている。更にシステムがかなり複雑。ドラゴンシュートによるドラゴンの使い分けがカギを握るが逆に言えば使いこなさなければ死あるのみと言える。大量の弾幕に彩京弾、複雑なシステム……。とてもじゃないがふらっとやって楽しいと言えるゲームじゃないのは事実だ。今作をクリア出来るのはやり込んだ一部の狂人のみという意見が出てもおかしくない。
しかしNintendo Switchでの彩京復刻プロジェクト版では難易度モンキーやチャイルドが実に緩い難易度に収まったのでこれらのハードルが低くなり非常に親しみやすい作品になった。そして親しみやすい作品になった今だからこそ言おう。今作は彩京の集大成であり究極の戦略型STGであると!!

~超接近大バトル~
基本情報を簡単に説明しておこう。全7面の縦スクロールSTGで前半4面はランダム面の所謂彩京フォーマットである。操作はショット+ボムに加えて近接攻撃のドラゴンシュートの構成。今作はストライカーズ1945Ⅱやガンバード2のようにゲージシステムを採用しているがレベル制では無くなっている。ドラゴンシュートで特筆するべきことは、ドラゴンシュートで敵を倒すと金貨(スコアアイテム)をザクザク出すということだろう。稼ぎと攻略が一体化しているのが特徴であり、とにかく金貨を集めれば良いと稼ぎが簡略化されているのも特徴でもある。
彩京STGといえば言わずもがなの奇数偶数の法則性の強い彩京弾なわけだが、接近戦も彩京STGを構成する要素の一つだ。殺られる前に殺るというのはSTGの基本原則だが、彩京STGはこの原則を強く意識した作品が多い。例えばガンバードではマリオンを使えば超接近することでサブウェポンが超速回転を遂げ敵が一瞬で溶けていく。バルナスを使えばタメ撃ちで一撃必殺だ。ストライカーズ1945シリーズではタメ撃ちをめり込ませてモリモリ撃ち込みで即破壊していくし、ガンバード2に至っては遂に「近接攻撃」が追加されてしまった。ドラゴンブレイズもこの流れを汲んだ作品なのである。
ドラゴンブレイズで最重要なのはドラゴンシュートである。所謂近接攻撃の類なのだが今作では使いたい放題となっている。邪魔な中型機はスパーンと一撃破壊!しかもテクニカルボーナスを狙えばボスまで一撃で粉砕出来るようになっている。更にドラゴン乗り込み時と分離時では自機の攻撃も変わる。分離したドラゴンからもショットが出ている性質を生かして敵の出現位置にあらかじめ置いておく、という使い方がポイントになる場面も多い。また乗り込み時と分離時でタメ撃ちの性質も変わりこれの使い分けも求められる。
そう、ドラゴンブレイズの肝はこの多くの攻撃手段からどれを選択するかの戦略性だ。敵に対してショットで行くか、ドラゴンシュートを投げて即破壊するか、ドラゴンシュートを投げてドラゴン設置するか、乗り込みタメ撃ちを放つか、ドラゴンシュートして分離タメ撃ちを放つか、ボス戦ではテクニカルボーナスを狙い一撃必殺決めるか、無理ならボム投げるかという多数の手段がある。このうちどれを選択するのもプレイヤーの自由だ。敵の攻撃を男避けするのも良いし、彩京弾だと見切っても良いし、見切れなくてもさっさとドラゴンシュートかまして黙らせるのも良い。圧倒的な自由度の高さは彩京STGの中でも最高峰だ。
機体によってこれらのどこにウェイトを置いているのかも違うのも面白いところであり、筆者がよく使うイアンは素早い移動速度とドラゴン戻り速度の速さから画面中を動き回りドラゴンシュートで全ての敵を粉砕していくし、対してドラゴン戻り速度が遅いが圧倒的な攻撃力に超強力なボムを搭載するソニアでは画面下でちまちま戦うということが重要になってきたりする。この機体の個性も面白いところだ。
それらを後押しするのが爽快感バツグンの動きの軽快さ、演出の派手さ、壮大な音楽にドラッグ染みた撃ち込みSEと敵爆破SEだ。動きの軽快さは特にクエイドやイアンなど超速機体を使うとそれらが実感できる。各部分の気合の入った演出もドラブレの魅力。まずはファンタジー色の強いグラフィックが目に付く。恐ろしいほど書き込まれた背景は極めて美しいもので、その世界のバリエーションも多彩。植物、砂漠、海、空のランダム面に祭壇以降の冥界ステージのおどろおどろしさなど如何にもなファンタジー感に溢れている。そして細かいキャラの動きも必見で、特に今作における一応敵ポジションの亀のやられモーションの数々が見ていて楽しい。海面で倒した場合はスイスイ泳いで画面外へと退散していき、空面ではパラシュートで退場していくと味のある動きで魅せてくれる。更に中型機、ボスの破壊演出は彩京STGの中でも屈指の派手さである。中型機を破壊するだけでズドンと爆発音が響き破片が散らばっていく。しかも中型機はステージに何体も出てくるのでその度この音が鳴り響くのだからたまらない。このスパーンと敵を粉砕していく感覚がドラブレである。ボス撃破演出も恐ろしいほどの派手な爆発と飛び散る破片が美しく、やる気を高めてくれるのだ。音楽も非常に重厚な楽曲が勢ぞろいで特に通常ボス(前半4面ボス)の楽曲は非常にカッコよく今作の代表曲だ。全体的にそこまで派手に主張する、というものでは無いがそれでもプレイを盛り上げプレイヤーの記憶に残るものに仕上がっている。
彩京STG恒例のテンポの良さも今作は健在。全7面なのだがプレイにかかる時間は1周クリアをやるとして15分切るくらいと他のSTGと比較しても異様とも言える。この短時間の中に上記した高度な戦略性、ド派手な演出、ドラッグ感の強い撃ち込みが存在している。そしてこの短時間の集中が麻薬的な中毒性を引き起こしているのだ。短い時間に濃密な体験をしたいならば、ドラブレはまさにこれこそ!というべきSTGなのだ。

~適切な難易度を選べ!~
そんな具合に魅力に溢れている今作だが難点を挙げるとすれば敷居がとにかく高いということだろう。難易度それ自体は実はそこまで高くはない。ガンバード2に比べたら高速弾の類も少ないし天下の傑作ストライカーズ1945Ⅱとそう変わらない程度だ。しかし今作をプレイした人の多くは「ドラブレヤバい」と言い難しい印象を受けてしまう。それは何故かといえばとにかく覚え要素が強いことに他ならない。
ドラゴンシュートで中型機一発!攻撃される前に破壊で危険一切なし!といえば聞こえはいいが裏を返せば中型機の配置を覚えないとどうにもならないゲームであるということの表れでもある。更に接近戦を仕掛けるということは、弾に接近するということでもあり被弾のリスクが大きい。この極限のハイリスク&ハイリターンの駆け引きが面白いといえば面白いのだが、やはりハードルは高い。更に弾量も凄まじいレベルで、弾幕STGもビックリというべき代物。ドラゴン分離状態だと当たり判定が縮小されるという微妙なテクニックこそあれどこれでも割と大きく、いつの間にか死んでいたということも頻発する。幸い彩京STGの中では弾速こそ遅いものの終盤はやはり速い。その上最終面は断続的にレーザーが乱射される場面の存在など覚えなければ死あるのみというべきものになっている。筆者もNintendo Switch版発売時ノーマルで挑んだがランダム面3面4面で撃沈しこんなの無理じゃん!と実は思っていた。
しかしそこで忘れてはならないのが適切な難易度で遊ぶことである。難しいなら難易度を下げてしまえばいいのだ。ドラゴンブレイズが難しいゲームであるという認識はNintendo Switch版の製作を手掛けたゼロディブも感じていたようで、難易度モンキーやチャイルドをかなり手を入れて調整を行ったようである。鬼のように飛んでくる弾幕の量を減らしつつ、弾速も遅めになっており事実チャイルドならば見て避けるがそれなりに可能なレベルだ。その一方でチャイルドであっても終盤はそれなりに難しい(ボスの初見殺しレーザーや最終面の断続的即死レーザー地帯が……)のでこの調整は正解だったと言わざるを得ない。難易度ベリーイージー辺りでもボスの攻撃は結構激しいし中型機をテンポよくポンポン破壊していかないと追い込まれてしまう。
しかし何より重要なのは難易度を下げても敵配置は変わらない、攻撃パターンそれ自体も変わらないということである。難易度チャイルドでもノーマルでも基本的な敵配置は変わらない。ということは?そのままチャイルドで得た経験が通常難易度の攻略に仕えるのだ。また攻撃パターンも流石に難易度を上げると激しくなるものの、全くの別物というわけでは無くその諸法則は共通している。その経験は確かに生きているのだ。
筆者もノーマルでは埒があかないと悟りチャイルドからプレイを行ったが、まさにこれが大正解だったというべきだった。ノーマルの時点では難しい以外の言葉が出て来ない感じでもあったのだが、このゲームがいかに作り込まれているか分かったのだった。気合の入ったグラフィック、敵破壊演出のこだわり、そしてドラゴンシュートを主体にまとめたゲームデザイン……。チャイルド→ベリーイージー→イージーと徐々にステップアップするごとに弾速も上がっていくがその度にそのエクストリーム感が楽しくなっていく。こ、これが成長の証なのか……?そしてプレイを継続することで遂にアーケードでのノーマル1周(キャラはイアン)を成し遂げたのだった。このゲームは諦めなければ何とかなる、そのことを痛感した瞬間だった。
また難易度ノーマルの場合でも「死ぬとランクが大幅に下がる」「ボムが他の彩京STGと比較して大量に手に入る」という調整なので、難所を全部ボムで飛ばすというプレイスタイルで臨めばパターンに精細さを欠いていてもクリアは可能である。このプレイスタイルだと2周目が一生クリア出来ないが、そんなものは廃人に任せておけばいいのだ(良いのか?)。ラスボス戦にボムを3つ残しておけばクリアはほぼ確定なので、それさえ注意すれば良いというのはある意味徹底パターンを要求してくる彩京STGの中では慈悲ある調整に思える。ドラブレの難度がそこまで高くはないという根拠はここにあるのだ。といってもラスボス戦にボム3つ持ち込むというのがやはり難しくもあるのだが……

ドラゴンブレイズは、確かに難しいゲームだ。しかし難しいだけで終わらない魅力が確かにある。短時間での濃密な戦略戦は他のSTGでは味わえない独自のものになっている。各難所に対してどういうアプローチを取るかはプレイヤーの自由、接近即破壊の爽快感、気合の入ったSE、音楽、グラフィック……。こんなのクリア出来ねーで放棄するのは勿体ない。興味が湧いたら是非ともまずはこの魅力を楽しめる低い難易度から徐々に楽しんで欲しい。

2 件のコメント:

  1. 平成も終わろうかというこのご時世に、ドラゴンブレイズがまるで最近発売されたかのような熱をもってレビューされている方がいることに感動しました。さほど文字数が多くないのにも関わらず、どっしりと読みごたえを感じる文章も素敵です。

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    1. >> Unknown2018年12月15日 16:31 さん

      コメントありがとうございます。
      ドラゴンブレイズをちゃんとやったのはスイッチ版が初めてだったのでこの時期になってしまいまして……。ドラブレは良いゲームでしたね。テンポの良さや戦略性は彩京屈指のものだと思います。
      普段はだらだら長々中身の無い文章しか書いてないのですが、今回のドラブレ文はそれなりにまとまってくれたので良かったのです……

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