2015年10月17日土曜日

魔界観

極魔界の感想記事にしようと思ってたけど、趣向を変えて極魔界及び魔界村シリーズ総観記事に。…の割には未プレイの超魔界に関して憶測で話しているので今回も当てにならない。超魔界はホントにいつかやりたいんだけれどもねぇ……
長い割には相変わらず大したこと書いてないので注意。


先に自分のスタンスを言っておくと、極魔界(無印)に関してはどちらかといえば肯定派だ。逆に改についてはどちらかといえば否定派だ。それを語る前にまずは魔界村シリーズについて振り返りたい。

そもそも魔界村はアーケードで生まれ、発展していったアクションゲームだ。ジャンプの独特の操作性、多数の武器を使いこなし攻略するデザイン、そして何より「できなさそうでできる」見事なバランスによって高い評価を得た作品である。
続編である大魔界村ではグラフィック面でのさらなる進化、ゲームスピードの高速化、上下撃ちの導入により元々高かった完成度をさらに高めた。個人的にはシリーズ最高傑作だとすら思う。
そしてコンシューマ作である超魔界へと移ることになる。大魔界と比べても劣らない出来具合だが、優れているかと聞かれるとどうであろうか。2段ジャンプと上下撃ちの廃止により新たな面白さこそ付加されたものの、ゲームスピードの低速化に伴う爽快感の減少、グラフィック面は素晴らしいが大を超えるほどではないため大より優れてるかは割と微妙である。
しかし、制約の強いSFCであること、コンシューマ作品であることを考えれば十分な出来である。そもそもAC発祥の初代と大魔界ではインカムとの兼ね合いからテンポの良さが要求されるバランスとなっている。そのため1つ1つのステージはある程度短く密度の濃いものになっている。コンシューマ版ではインカム概念が消滅しているため全く別のバランスが求められる。制約もあったのだろうが、超魔界が選択したゲームスピードの低速化、1つ1つのステージの複雑化、拡大化は概ね正しいと思う。

魔界村シリーズ本編はこの超魔界を最後に極魔界が登場するまで新作が作られることはなく停滞することになる(といっても外伝や移植はいっぱい出てた。ワンダースワン版は実質新作ともとれるらしいし)
そして、満を持して極魔界村が登場した。が、これまでのシステムから大幅に改変がなされたものであった。具体的には
・従来までの2ミスで死亡から鎧に耐久力がついた。その影響で雑魚が凶悪化、人によっては理不尽とも取れるものに
・空を飛ぶ盾などの登場によりこれまでと全く違うバランスに
・ゲームスピードの高速化、2段ジャンプに上下撃ちあり
・ワープ鍵、リングシステムにより実質探索系アクションに
などといったものである。これらの仕様変更は超と同じくコンシューマ作品、PSPでの作品だからであると思われる。
前述したように、コンシューマ作品であるのでAC作品とは全く違うバランスが要求される。極が選択したのは探索要素を拡大化させて長くプレイさせるというものであった。必然的にステージの大きさはでかくなり、密度を濃くするために敵の数は増える。鎧が耐久制になったのもある意味必然だったのかもしれない。
問題は、新規ユーザーはともかく過去作経験者にとっては望ましくないものだったことだ。改変されて少しは探索用にチューニングされてはいるものの、そもそも魔界のもつシビアなバランスと探索要素は全くといっていいほどかみ合わない。空中制御ができず、ジャンプすることが常に死と隣り合わせなのに広大なフィールドをあちこち回ること自体がおかしいとすら思う。この点が極魔界最大の問題点であり、これを受け入れられるかで極魔界の評価は大きく変わる。
さらに、フィールドが拡大化したしわ寄せによって敵の数が非常に多く、それに対応するために大魔界と超魔界のシステムのいいとこどりが採用されたが、それ前提で調整されてるため人によっては理不尽とすら感じるものになっている。
そもそも個人的には2段ジャンプと上下撃ちの同時採用自体がゲームが上手くない人への配慮に欠けているとも思う。魔界シリーズは総じて高難易度と言われ、確かに難しいがそれでも理不尽とは思えないし、ゲームがものすごく上手くなくてもクリアできるゲームだと思う。少なくとも大魔界はそうであったし、AC魔界も最近プレイしているがそう感じた(FC版はちょっとアレ)
大魔界ではジャンプ1回きりだからこそ上下撃ちが生きるものだった。超魔界ではゲームスピードの低下によりジャンプのリスクは多少下がり、上下撃ちがないため位置取りが重要になるので2段ジャンプの意味も分かるし優れたものだと思う。極魔界は広大なステージを探索させるために2段ジャンプを導入し、敵の数が多いから上下撃ちを加え、さらに回数制だが任意に使える魔法を導入したのだと思う。どれも苦し紛れに入れたようにすら思える。

それでも難所を乗り越えた時の快感は格別なものであり、できるかできないかのギリギリのところで突破できるバランスは流石であり、この1点が極めて優れているからこそ自分は極魔界(無印)肯定派である。難易度は明らかに歴代の中でも12を争うほど難しいが突破できないほどではない。FC魔界よりかはマシな難易度に思える。突然出てくる敵は理不尽とも思えるが、鎧耐久システムのおかげでそこまで絶望感は薄い(穴に落ちてミスする場合はまた違ってくるが…)。次から次へと現れる敵をぶっ殺していく爽快感もある。

一方の改は無印を従来の仕様にもどし、バランス調整したものだがむしろこっちこそあまりハマらなかったというかダメだったと思う。敵の数が大幅に減少し遊びやすくはなったが、そのせいで魔界村シリーズの核ともいえるステージの濃密さが大幅に薄まっており非常に淡白なゲームとなってしまっている。システム的には魔界村だが、らしさで言えば無印のほうがそうであると思える。

極魔界村は無印も改も傑作ではないと思うけど、ボロクソにいうほどヒドイ作品でもないと思う。これはおそらくは魔界シリーズに対するユーザーと作り手で思いの違いがあるのだと思う。ユーザー内には、正統続編こそ出なかったものの魔界シリーズ自体は割と出ていたことによって「魔界村こうあるべし!」というものが植え付けられ、そこが作り手の思いとの溝を生んでしまったと思う。
ACもしくはコンシューマで超~極の間に正統続編が1本でも出ていれば極魔界がこれほど賛否分かれる作品にはならなかったんじゃないかなーとも思える。少なくとも溝は減ったはずだ。SFC→PSPの進化は急激なものだと思う。コンシューマであれば、超魔界の発展形もしくは極魔界のプロトタイプ、ACであれば大魔界の発展形になったと思えるしそれらの作品でユーザーを慣れさせることが必要だと思った。もう後の祭りだが…
超~極の間に1本も正統続編が出なかったことそれ自体が極魔界の問題だったのかもしれない。



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