2017年3月29日水曜日

ゲーム音楽 エルナード(The 7th saga)

エルナード -
エルナード -

寂寞感漂う、他とは一線を画す孤高のRPGとその音楽。ゲーム音楽『エルナード』の紹介。


・メーカー エニックス(開発:プロデュース)
・ハード SFC
・作曲者  山貫憲彦 (協力:光田康典)
・ゲームプレイ状況 クリア済み
・サントラ状況  出てません。


曲リスト(みんなで決めるゲー音Wikiから引用、かつ一部追加)
「曲名」 海外名称(複数あるものは複数記載) 補足
「オープニング:前半」 the 7th saga/ Beginning of a Tale
「オープニング:後半」 the seven apprentices
「フィールド:一番目の大陸」 overworld 1/Lux Tizer
「フィールド:二番目の大陸」 overworld 2/World Map
「フィールド:三番目の大陸」 overworld 3/The Farthest Reaches
「フィールド:四番目の大陸」 overworld 4/Kamil Dowonna
「街:レミール」 fortress city
「街:ラブレスカ」 lively village
「街:ボンロ」 port city/Olvan Jaess
「街:メレナーム(現在)」 quiet ruins/Wilme Pelin
「街:パトロフ(解放後)」 castle town/Esuna Busy
「街:ガンツ」 native village/Troglodytes
「街:王宮」 grand palace
「街:宿屋」 inn/Same Old Inn
「街:道具屋」 shopping/Equipment on Sale
「街:教会」 church/Valsu Saizer
「戦闘:フィールド(現在)」 overworld battle/Battle in a World of Light
「戦闘:フィールド(過去)」 past battle/Battle in a World of Fading Hope
「戦闘:ダンジョン」 dungeon battle/Battle in a World of Darkness
「戦闘:ボス」 boss battle/Epic Confrontation
「ダンジョン:アランス城」 monster's den/Lejes Rimul
「ダンジョン:アースの洞窟」 underground tunnel/Frozen Depths of the Earth
「イベント:穴掘り」 great achievement めいきゅう洞、水のアーク入手時
「イベント:潜水艦」 submarine/How to Cross an Ocean 潜水艦、飛行船
「イベント:メガグライダー」 mecha glider
「イベント:フォルマ暴走」 sound the alarm!
「イベント:メレナーム沈没」 melenam's fate
「イベント:ゴーシア」 gorsia appears/Gorsia's Death March ラスボス撃破直後等
「エンディング」 A Long Awaited Rest
「スタッフロール」 credits/Hero's Rebirth


あのエニックスが送るSFCのRPG!と言えばやはりドラゴンクエストシリーズであり、その次に挙がるのがアクトレイザー、ソウルブレイダー、ガイア幻想紀、そして天地創造のクインテット作品でしょう。そこへ行くと、同じくエニックスが送り出したにも関わらず、最終作のミスティックアークだけ知名度が突出していて他2作はそもそも知られていないプロデュース開発のアーク3部作(エルナード、ブレインロード、ミスティックアーク、ここに外伝作、PSのミスティックアークまぼろし劇場を含めることもある)はどうも……知名度が……。エルナードはそんな(どんなだ)エニックス発売、開発プロデュースのRPGです。ミスティックアークの前身として知る人ぞ知るRPGでもありシステムの数多くがミスティックアークと共通しています。またアークを題材にしたという点も共通していますね。世界観は全くの別物ですけども。
王道RPGのようなストーリーと世界観を持ちながらも、プレイ感覚はまるで王道RPGのそれと異なるのが今作の特徴でもあるでしょう。美麗なドットグラフィックに対して、極めて淡々と描写されるストーリー、大してよくもない戦闘バランス、喋ることのない主人公、仲間になったとたん喋らなくなるキャラクター、ともに学び競い合った弟子同士で殺し合う衝撃の展開、その衝撃の展開すら淡々と描写される演出……。他のRPGとは一線を画した異質な空気感を持つRPGであります。どこか物寂しく陰鬱であり、ただただ淡々と世界を巡る。他のゲームでは味わえない圧倒的な孤独感と虚無感に満ちた雰囲気RPGなのです。それゆえあんま知名度が出ず埋もれてしまったとも言えなくもないですが……。ちなみにブレインロードやミスティックアークもこの物寂しさや孤独の要素を多かれ少なかれ含んでおり、ミスティックアークに関していえばその頂点と言っても過言じゃないでしょう。
そんな雰囲気作りに一役買っているのがサウンド。これが寂寞感や寂寥感の強いものであり大変素晴らしいものであります。透明感のある音色と、どこか物悲しいメロディラインの楽曲が多く、他にない独自の色を更に色濃くしています。また戦闘はRPGらしくノリが良く闘争心をかき立てるものに仕上がっているのも魅力の一つ。
作曲を担当したのは山貫憲彦さん。どうもジャズの分野を中心に活動しており、ゲーム音楽ではエルナード以外は主だった作品はないもののその楽曲は素晴らしいものばかりです。ちなみに、教え子にあの光田さんがいて、その縁あってエルナードでもサウンド周りの協力で光田さんが名を連ねています。光田さんファンもルーツを辿りたいのなら、エルナードの楽曲をチェックですぜ。
個人的お気に入り
・オープニング:前半
物語の始まりを告げるかのような笛の音を主体にした楽曲。開幕からいきなり寂寞感や寂寥感を感じられる音楽なのも凄いところ。
・フィールド:一番目の大陸
序盤のフィールド曲。このゲームの印象を植え付ける楽曲の一つ。静かで穏やかながら独特の緊張感がある、まさに一人旅の始まりを思わせる楽曲です。
・フィールド:三番目の大陸
中盤のフィールド曲。このゲームの印象も固まってきたころに流れる楽曲で、その印象を更に強固にする楽曲でもあり。物寂しさはフィールド曲屈指。
・街:レミール
最初の街のテーマとして名高い。最初の街ながらいきなり寂寞感の強いものという衝撃を与えた。エルナード=この曲のイメージもある人も多い(と思う)。物寂しいこの曲に合わせて街の人の話を聞いているのが楽しい。
・街:ボンロ
ボンロ他街で流れる楽曲。レミールに勝るとも劣らない寂寞感の強い楽曲であり、寂しげな笛のメロディラインが際立っているのが特徴。個人的にエルナードで最も好きな楽曲でイチオシです。メロディラインの美しさが素晴らしい。
・街:メレナーム(現在)
崩壊した土地なり街で使用される楽曲。物悲しい楽曲ばかりのこのゲームの中でもシチュエーションにバシリとハマるほど寂しい楽曲でもあります。
・戦闘:フィールド(現在)
独特なイントロと衝撃の拡大回転縮小演出から始まる戦闘を彩る楽曲。ノリが良く軽快なものながら他とは違う味のあるものに仕上がっているのが流石です。
・戦闘:フィールド(過去)
ゲーム後半の戦闘曲。前半とは一味違うアップテンポで緊迫感のあるものに。展開も相まって燃える感じです。
・戦闘:ダンジョン
ダンジョンで流れる戦闘曲。フィールド曲とは打って変わって渋くテンポの速い仕上がり。ダンジョンの敵は中々に強敵が多いので緊張感のあるこの楽曲は盛り上がります。
入手方法・その他
VGMdbあたりで検索をかけてみましたが、どうもサントラは出ていないようです。無念……。スーパーファミコンマガジンみたいなオムニバス収録もこの作品に関しては無いらしいです。音楽が素晴らしいだけにもったいないところですね……
ということで、音楽を聴いてみたい方はソフトを買うのが吉です。

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