2016年10月8日土曜日

キラキラスターナイトDX第一印象感想

2016年1月31日、とある一つのソフトが発売された。「8BIT MUSIC POWER」。それはファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された。現代の技術で、本気でファミコン向けに作ったらどうなるか、という一つの挑戦でもあった。そしてそれは8bit音楽としても、技術デモとしてもほぼ最高峰のものとして名を残すことになった。
しかし、「8BIT MUSIC POWER」には一つだけ重大かつ致命的な問題点が存在していた。ゲームソフトではなかったのだ。ソフト内には一応ミニゲームは存在していたが、ほぼ音楽再生と映像再生に特化した作りだったのだ。確かに「8BIT MUSIC POWER」は素晴らしいものではあったが、ファミコンで出るならゲームソフトを出して欲しいという思いが自分の中にあったのは事実であった。
そして、2016年10月6日、その思いは果たされることになった。新作ファミコンゲームソフトとして「キラキラスターナイトDX」が発売されたのだ。数々の超技術と、ゲーム音楽界のレジェンドと新鋭による高品位の音楽の数々……。俺はファミコンが蘇るのをこの目でしかと見た!
��____

つーことでキラキラスターナイトDXのファーストインプレッションでございやす。と言ってもこれ書いている時点でまだハードモードクリア出来てないんだけどね。中々難しくてヘボい腕前の上に互換コントローラを使ってたせいか操作が誤発することが多くて、苦戦してたんだよね。純正コントローラはスタートボタンがイカレてるから普段使うのは互換の方なんだけど、改めて純正品の凄さを思い知ったよ。
そんな話はどうでもいいとして、キラキラスターナイトDXのお話に入ろう。あとお話に入る前にどんなゲームなの?と思った方はこの辺のページを見とくと分かりやすくていいかも、というかそこ見たら感想読まなくてもいいかも。

http://riki2riki.com/html/0_sample_kirakira_dx.html

https://www.youtube.com/watch?v=xMB5FK2YMVA

��____

今作の特徴を挙げるとするならばまず真っ先に変態技術が挙がるだろう。「現代の技術と執念で実現したFCの限界を超えた表現の数々」という謳い文句で颯爽と登場したがそんな甘っちょろいものじゃない。これはもはや怨念だ。8bitの怨念だ。それほどまでに今作の映像には鬼気迫るものを感じる。8BIT MUSIC POWERも凄いものではあったがアレは音楽再生に特化したからこそ、と思っていたのでそこまでの恐ろしさは感じなかった。だが今作はもうまるで違う。ゲームを起動しタイトル画面が表示された瞬間キャラクターが極めて滑らかにアニメーションを取って驚かせてくれる。、多重スクロールラスタースクロールなんて当たり前のように次々と展開され、トリッキーな挙動の星がワラワラと処理落ち一切なく現れる。鬼のようなドット絵なんてのも健在し、主人公の動作モーションも非常になめらか。色数の厳しさをも感じさせないような色使いなど、本当に見るべきところが多いゲームだ。
ハード末期の超技術ゲーと言えば自分の中で思い浮かぶのはナグザットの烈火だが、今作はそれに引けを取らない、部分的にも勝っていると言えよう。烈火の「意味不明な超技術の数々が恐ろしいスピードで展開されていく」ことに比べると少しパンチに欠けるような気もするが、そもそもゲームが攻撃的で暴力的な内容ではないのでこれはこれで良し。映像デモとしてもゲームのグラフィックとしても良くできたものだと感じる。鬼気迫るその映像は、実際にファミコンを起動させ見ていただきたいものだ。
��____

キラキラスターナイトDXのもう一つの大きな特徴を挙げるならサウンドになるのだろう。ゲーム音楽界のレジェンドと新鋭による高品位の音楽の数々と先述したが今作は本当にメンバーが豪華である。8BIT MUSIC POWERの時も思ったが「こんなメンバーどうやって集めたんだ!?」と思ってしまうほどそのネームバリューは凄まじいものがある。今作の作曲陣はこの面々だ。
[音楽]
 国本剛章 (Takeaki Kunimoto) ………………………………… LV2 STAGE 1
 慶野由利子 (Yuriko Keino) ………………………………… LV2 STAGE 3
 古代祐三 (Yuzo Koshiro) ………………………………… LV2 STAGE 5
 Sntrr …………………………… LV2 STAGE 8new
 塩田信之 (Nobuyuki Shioda) ………………………………… LV2 STAGE 6
 Tappy …… TITLE, LV1 STAGE 3,4,5,9, LV2 STAGE 9
 Hally ……… LV2 STAGE 4, CLEAR, DEBUG MODE
 Bun …………………… ENDING, LV1 STAGE 1,2,8
 松前真奈美 (Manami Matsumae) ………………………………… LV2 STAGE 8
 除村武志 (Takeshi Yokemura) ………………………………… LV2 STAGE 2
 Robokabuto ……………………………… LV1 STAGE 6,7
 渡部恭久 (Yasuhisa Watanabe) ………………………………… LV2 STAGE 7

音楽は先に書いたように本当に良いものである。ここに関しては8BIT MUSIC POWERにハマった方は間違いなく期待して良い。聴きごたえのある音楽が数多く揃っている。サントラの販売が待ち望まれるところだ。
また音楽の良さで見逃しがちであるが、SEと合わさっても曲がスムーズに聴こえるということも評価したいところだ。音数制限が厳しいはずなのによくやることだ。
��____

さて、ここまで今作の見栄えの部分を語ってきたがじゃあゲーム内容はどうなのヨ!って話になる。今作は飛び交う星を集めるジャンプアクションゲームである。イメージ的にはギャラガのボーナスステージが連発して続くようなものと思っていただいて問題ない。パターン性の強いアクションゲームと言ったところか。
星を集めるという単純極まりない内容だが、トリッキーな星の動きと映像のおかげでわりかし新鮮な体験を味わうことが出来る。星の動きは本当にトリッキーだがパターンがあるので覚えて対処するのがコツでもある。この辺はギャラガのボーナスステージに通ずるものがある。配置を覚えてからがスタートなのかもしれない。
星を集める上で重要になるのがジャンプ。主に通常のジャンプとハイジャンプの二つの使い分けが重要になりバランスが上手いこと取れている。また、ジャンプに限った話ではないが今作は非常に判断能力が試されるゲームである。単純に星を集めろと言われても「ジャンプせずにとる」「その場ジャンプでとる」「その場ハイジャンプでとる」「横に移動しながらジャンプしてとる」「横に移動しながらハイジャンプしてとる」といった選択肢が存在していてどれを使うかを見切らなければならない。そこまでシビアでもないが、しかしミスを減らさなければクリアには近づかないバランスだ。中々に地味なところまでこだわっているのが分かるだろう。シンプルながらもアツい内容だ。
しかし内容面としてはかなり淡白なものになっている感は否めない。敵をブッ倒す、難所を切り抜ける、良質なお話を楽しむ、革新的な操作と発想などという要素が見事に欠落していてしまっていて、分かりやすい面白さに欠けていることが最大の難点かもしれない。ちゃんと遊べばパターン構築やジャンプの使い分け、星の早回しによるハイスコア狙いなど数々のアツい要素に気が付けるが、それでもゲーム本編は極まった映像と音楽に対して地味と言わざるを得ない。ゲーム性とはリスクとリターンだといったのは桜井大明神だが、今作はそこの部分がかなり薄く(というか分かりにくい)、そのため「映像と音楽は凄いと思うけどゲームは……」と思う人がいるかもしれない。そういった意味では人を選ぶゲームでもある。古典的ゲームを最新技術を駆使してファミコンへ再復活させたようなゲーム、と言うのが良いのかもしれない。個人的にはそこまで悪いものでもないと思っているのだがこの淡白さは多少問題があるように思える。映像と音楽が凄いだけに気になっちゃうんだよね……
しかしそこを除けば目立った欠点は無く、眼下に繰り広げられるのは文句なくFC最高クラスの映像表現、音楽はレジェンドと新鋭の魂のこもった8itミュージックである。8bitとゲーム音楽に魂を持ってかれた人ならこのゲームは買いだろう。
��____

ところで皆さんは今年の一月の終わりごろに出た8BIT MUSIC POWERの現在のFC版のAmazon価格を知っているだろうか。答えは9000円強。当時の定価の倍弱の値段が付いてしまっているのだ。更にこれはPCで再生可能なCD版(サウンドブック付属)、オリジナルサウンドトラックが発売されようとしているこの状況でこの価格なのだ。既にプレミア化し始めてしまっている。当の本人も「まーまだ大丈夫でしょ、まだ出て一年経ってないし」と余裕ぶっこいていたらこのありさまである。それだけ「FCのROMカセットで出た」ということは価値があるものなのだ。
そして8BIT MUSIC POWERはあくまでゲームソフトではなくゲーム音楽アルバムであったが、キラキラスターナイトDXはゲームソフトなのだ。新作FCゲームソフトなのだ。今作もどれだけ市場にでたか当の本人も予想がつかないが、そう多くは無いだろう。ここで断言しておくが少しでも興味があるのであればキラキラスターナイトDXは買っておけ!いつ定価で買えなくなるか、サッパリ分からないこの状況では、いつの日にか金で買えない値段になってしまう可能性すらある。それにこれ以上FC新作ゲームソフトが出るかどうかなんてわからない。買えなくなってからでは遅いのだ!だから興味があるのなら買え!何が何でも買え!どんな卑怯な手を使っても買え!子供を質に入れてでも買え!たとえ買い損ねても買うんだーッ!
��____

という、テンパった北条監督の言葉を引用して、キラキラスターナイトDXファーストインプレッションは終了。買えなくなるうちに買っておいた方が良いゲームだと思うよ。いやマジで。



0 件のコメント:

コメントを投稿