2016年10月11日火曜日

今月の一本 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!

今月の一本10月分はこれだビッチ!というわけで4本目の紹介文でございまする。
しかしクレヨンしんちゃんのゲームこれしか知らんから過去との比較ができんのがなあ。むー。うーん。
どうでもいいけどもうちょい増えたらカテゴリ増やしたりなんなりした方がいいのかな。

��____
DATA
発売 / 開発 :バンプレスト / インティ・クリエイツ、ナツメ(開発協力)
登場時期 : 2006
ジャンル : コスプレフレンドアクション
機種 : GBA


��開発会社に目を向ける~
世の中には海千山千のゲームが存在しているが、その中でもキャラゲーと言うのは厄介な存在だ。キャラ人気にあやかった怪しい出来の凡庸な凡作であればまだマシで、吐き気を催す邪悪のようなゲームすら存在する。
そんな手を出すのが危険なキャラゲーだが、無論ゲーム部分がしっかりと出来ている作品であれば十分な傑作となる。ではゲーム部分をしっかりした作品を見つけるには?ということになる。一つは見た目からの判断。しかしこれには見掛け倒しという落とし穴もある。ここで注目すべきは開発元だ。ここが信頼のおける、つまりは良作出しまくりでここのゲーム買っとけば損はしないッ!なんて会社ならそのキャラゲーはもうアタリのようなもんだろう。
そこで今作「クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!」の開発会社に目を向けよう。開発を務めたインティ・クリエイツは!あの伝説の超スピード特攻電波アクションである「可変走攻ガンバイク」でセンセーショナルなデビューを果たし!開発協力のナツメ(現ナツメアタリ)は!狂気の電波バカゲー「東方見文録」で鮮烈なデビューを果たしたところなのである!!
ゴメン今の忘れて。
冗談はさておき、インティクリエイツと言えば泣く子も黙る2Dアクションゲームの製作に秀でた会社で「ロックマンゼロ」をはじめ「ロックマン」関連作でその名をとどろかせる優良開発会社である。そしてナツメと言えば細かいところまで作り込む下請け会社として、マニアから絶大な支持を集める会社である。そんな2社が力を合わせてキャラゲーを作ったら!そりゃあマッスルドッキング並のゲームが出来あがるに決まってるじゃないか(なぜキン肉マン?)!かくしてショックガーンは約束されし優良ゲーとして期待され、その期待を上回る出来栄えを見せつけ真の万人向けキャラゲーとはかくあるべしというのを見せつけ、GBA屈指の2Dアクションの傑作として躍り出ることになった。

��衝撃演出がめじおろし、ダゾ~
「このゲームには、ばくしょうシーンやおバカなひょうげんがふくまれているゾ」
ゲームを始めて一番最初に表示される文章、及びボイスがこれだ。よくある注意書きを逆手に取った逆転の発想、及びお笑いの禁じ手(前振り段階で面白いことやると宣言すること)をも取り込んだその文章としんのすけのボイスに唖然とした。数多くのバカゲーを見ても、自ら「俺、面白いでしょ」と言いだすゲームは中々無かったように思える。それをいとも簡単にやってのけたその度胸に圧倒されてしまった。
プレイしてまず誰しも驚くのは、このゲームがほぼフルボイスだということだろう。アニメ版クレヨンしんちゃんの声でキャラが喋りまくる。ストーリーパートだけでなくゲーム中も声が多用される。今作がGBAであることを考慮すればその凄さが分かるであろう。ボイスを使用する場合音楽面が割を食われるが、音楽もしっかりとしているのが非常にポイント高いところだ。細かいところだが技術力が光る調整となっているだろう。エンディングでのまさかのボーカル付きのテーマ曲はまさしく必聴ものだ。
そして本当に圧倒されることになったのはそのゲーム演出であった。クレヨンしんちゃんを題材にとり食玩のテーマパークであるショックガーンにて2Dアクションステージを攻略して人々をお助けするのが簡単なゲーム内容だが、この2Dアクションステージの作り込みが物凄い。アニメ調でしんちゃんの世界観が再現されていることもさることながら、アクションゲームとして見ていて飽きないような配慮が徹底的になされているのだ。驚くべきは似た構造のステージが一つもない。そしてその上で道中もボスもぶっ飛んでいる。丸太を次々とジャンプしながら先を目指すステージや、ペットボトルロケットを次々と飛び移りながら上へスクロールするステージ、巨大鯨の体内を冒険するステージ、風に乗って風車の羽の間をすり抜けるステージなどなど、見るたびに「なんだこれは!」と声を上げざるを得ない構造の目白押しである。ペットボトルロケットのシーンでは思わず魂斗羅スピリッツのミサイル渡りが頭をよぎるほど、見ていて楽しくなるそれは愉快で痛快なものだ。ここにしんちゃんの世界観が合わさるのだからこれで笑わない方がおかしいとも言えるだろう。ステージ以上にビックリするのがボス。その衝撃的な強さと恐るべき見た目によりこちらの腹筋とメンタルを徹底的に破壊してくる。例を挙げればみさえはねぶたに扮して登場し、げんこつを繰り出してくる。ひろしはマンモスに扮して登場し、靴下の臭いを嗅がせて来る。その姿はまさにインパクト大。「なんじゃあありゃあ!」と声を荒げその強さに悶絶することになるだろう。
そのド派手な演出に合わせてか、難易度も年齢層に対してピリ辛で厳しめな高さではあるが、その窮地を救ってくれるのが「お助けカード」である。しんちゃんの仲間たち(登場人物)が体を張ってお助けしてくれるのだが、ただ単に役に立つだけでなくこの演出も驚くほどに凄い。まさかの一枚絵まで用意されているネネちゃんの慰謝料請求、ジュリアナテクノの音楽とともに颯爽と登場しセンスをまき散らすまつざかせんせい、全く意味はないがバカップルっぷりは伝わってくるミッチー&ヨシリンなどなど個性あふれる面々が原作のイメージを損なわない形でお助けしてくれる。この原作のイメージを損なわないというのが非常に重要で、キャラに与えられた役割をしっかりと理解して作られている印象を受ける。キャラゲーとしての愛を随所から感じる作りだ。
そのおバカ演出の数々を楽しむために、アクション動作はストレスを感じることのない作りになっているのも非常にポイントが高い。主人公しんちゃんの動きは全ての動作が小気味良いことが特徴でゲームテンポは極めてサクサク。それでいながらアクションゲームとしての歯ごたえはしっかりと残っており再プレイしやすい作りになっている。この辺はロックマンゼロシリーズでこなれたインティだからこそのバランスとも言えるだろう。難易度は多少厳しいものがあるが前述したようにお助けカードを積極的に使う、金さえ払えば絶妙のお助けをしえくれるぶりぶりざえもんを利用するなど救済措置を積極的に使えば誰でもクリアにたどり着けるようなバランスだろう。子供に対しても手を抜かない、しかしながらクリア出来るような配慮はする。こんな職人的なバランスがなされたゲームは中々無い。見た目はおバカそのものだがその手触りは優しさに満ち溢れている。そこもまた、しんちゃんらしいところだ。

��お話も手を抜かないゾ~
しんちゃんと言えば話が良く出来ていることを印象に持っている人もいるだろう。映画版のモーレツ大人帝国の逆襲やアッパレ戦国大合戦とかは特に有名だ。そして今作にもその色は強く残っているとも言えるだろう。今作にはアニメ版クレヨンしんちゃんの監督である「ムトウ ユージ」氏が監督・脚本・キャラクターデザインとして関わっているのだ。なるほど、確かにクレヨンしんちゃんらしさが非常に溢れていると感じたが、監督自らが関わっているのならそれもうなずける。
話の内容としては食玩のテーマパーク「ショックガーン」に大人たちが虜になってしまったのでカスカベ防衛隊が立ち上がり大人たちをお助けする、というものである。しんちゃんらしくギャグを挟みながらの展開で笑いが止まらないのもあるが、その一方で中々に考えさせる作品とも言えるだろう。終盤に展開されるフィギュア魔人たちの言葉には非常に考えさせられるものを感じ、単に笑えるゲームと言うだけでないものを感じた。子供だけでなく大人も物語面で楽しめると言えるだろう。
先にも述べたがこのゲームはほぼフルボイスである。そのため今作の物語は文章を読んでも、耳で聞いても楽しめるものになっている。しかもボイスはアニメ版と同じであるので非常に頭の中に入ってきやすい。キャラゲーとしての話の完成度の高さ、質の良さ、そのお話の伝え方などどの観点から見ても良くできたものになっている。ゲーム部分は極めてゲームゲームしており、物語部分はまるで一本のしんちゃんのアニメを見ているかのよう。この二つを上手く溶け込ませたインティクリエイツはやはり只者ではない。
このようにショックガーンは子供だけでなく大人だけでなくゲーマー層までをも満足させる作品なのである。GBAの最末期のその凄さを、ぜひ一度実際に遊んで体感してもらいたいものだ。




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